債券市場参加者の世界観 ~ 儲け=売値ー買値では無い

業者引合を実際自分でやってみて、非常に勉強になりました。
勉強になったこと3点

1.US Stripsの取引は圧倒的にBOA(Bank Of America)が強い。
今回は、Stripを売って、社債を買う取引のため、最初にStripの買い手を見つける必要があった。
ところが、どの業者もRetailやってないとか言って、なかなか取り合ってくれなかった。
ストリップス化までする業者は本当に限られており、Asia時間のMarket Makeは一社独占状態。
税制を意識する必要が無い今でも、割債が好きなので、BOAとはお付き合いが続きそうだ。

2.Market参加者は基本Leveraged Trader。
私が前述の割債が好きな理由は、儲けを売値ー買値で考えているので計算しやすいと言うこと。
これは確かにEquityの世界では当たり前なのだが、Bondの世界は違う。
トレーディング期間 × (自分の運用金利 - 自分の調達金利)
基本、期間×Yieldで考え、値動きが小さいから当然、Leverageをかけており、自分自身の調達
コストを如何に上回るかと言う世界。うーむ�。
「随分前に、30で買った割債が、半年で36になって、大儲けじゃ!」
なんて自慢を債券トレーダーにしたら、
「Yieldしかみてないから、価格で言われても�」

「利付債の実際の精算金額なんだけど、わかりにくいClean Priceは勘弁して欲しいよな?」
「実際の約定価格なんて見ないよ、Yieldを見てTradeするんだ�」

理屈ではわかるもの、やはり体にはしみこまず、私は今でもディスカウントファクターで
Yield Curveを見ている�。30年金利が10ベーシス上がったよりは、30年の割債が3%
下がったの方がわかりやすい。

3.Settlement delay (TradeからDeliverlyまでの間、何日必要か?)
 Treasury T+1
 Currency T+2
 Corporate Bond T+3
ということなので、なかなか面倒です。国によっても違うのかな?
社債を売って、国債を買うなんていう時は、Cashが無いとできないかも。

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Comments [4]

確かに債券運用者はイールドしか見ていないのかもしれないですね。

銀行経営シミュレーションをやってみて、銀行ってかなりのボンドポートフォリオを運用する必要があることがわかりました。彼らはALM的な視点でもって、常に調達金利のと運用利回りの差だったり、デュレーションマッチングだったり、を気にしているようです。ボンドの運用によって利益がどの程度出るかと同程度、ひょっとしたらそれ以上にそういった別の視点が重要になってくるのかもしれません。

もちろんボンドの市場参加者は銀行ばかりではないと思いますが、それなりに銀行の存在感はあるでしょうから。

銀行に話を限るのであれば、運用サイドの最大資産はローンであって、貸出金利は基本的に自分達で設定できるから、あくまでボンドポートフォリオはそれを補完するという意味合いが強いというのが実際のところだと思います。なので、銀行であろうと、事業会社であろうと、右側で調達して、左側で運用して、その間のリスクはある程度取らざるを得ないでしょう。銀行の場合は、それがたまたま金利リスクになっているわけですが。

レバレッジに関しては以前から意見が合いませんね。レバレッジかけて株式投資をするのはリスクが高いと思うけど、不動産のように時価の変動が少ない資産に関しては、リスクは低いというのがぼくの認識です。不動産の時価は、基本的にDCFで評価されるわけですが、賃料のボラティリティってかなり低いと思いませんか?

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