VolatilityとCredit Spreadの関係

一昔前に書いた原稿ですが、面白い記事があったのでそれとリンクさせてみました。

各国のSovereign credit default swapは各通貨のファンダメンタルの反映であるというのは
同意できるのですが、安易に通貨のDirectional Betに走るのは理解できません。

ここではCDSと通貨ではなく、CDSとDeep OTM Optionの価格の関係についてふれたいと思います。

株を想定して書きましたが、それをSovereign CDSとFXオプションに変えても本質は同じことです。

CDS のDefault LegのPV=(1-RecoveryRate)×P(Default Probability)
Stock Price->0の時(つまりDefault)、資本市場の優先劣後構造より
CDSのpayoff<Putのpayoffであるから

(1-Recovery Rate)×P<P

PはDefaultなので株価0になる確率とも考えることができ、

P×K(Strike) < PutのPremium

左は、Strike=KのPutのDefault時のみのpayoff
一方、右のPutはDefaultしなくても価値を持つことから"<"です。
これらをつなげるとCDSのDefault LegとPutのPremiumに大小関係が入ります。

ここでPについて、
Revovery RateをGiven、Forward Default Probabilityを一定の期間構造無しで考えれば解けるはずで
Premium Leg : Credit Spread * None Default Probability(t) * Δt
Default Leg : (1-Recovery Rate) * (None Default Probability(t)-None Default Probability(t+Δt))

(None Default Probability(t+Δt)-None Default Probability(t))/Δt
= - Credit Spread * None Default Probability(t)/(1-Recovery Rate)

lim Δt->0 の微分方程式を解けば
Default Probability(t)=1 - None Default Probability(t) = 1-exp(-ct/(1-R))


KがATMに近いときは、下限値はオプション価格に対し小さすぎて、下限値としての意味がないですが
K->0にすると0%近傍でのオプションプライスが計算できDeep out Skewが観測できる
というからくりです。
Credit Spreadと年限にもよりますが、Kが現値の半分くらいからRealな下限値として有効になる場合もあります。
逆にATM近傍では、CDSによる下限値の影響はほぼ無いはずです。

この方法は、下限値の計算根拠の主観的な想定にそもそもの疑問が生じているのは事実です。

CDSの片側を考える場合、Recovery Rateの想定は本当に確かなの?つまり、デフォッたらどうなるの?
Physical Settleの実績が無い日本のCDS(そろそろ実績できたかぇ?)は、なおさら怪しいこと間違いなしです。

CDSやSkewに日本市場の下方硬直性が現れているとも言えましょう。



2009-02-23 01:33:09 米金融機関破たん要因のCDS、円にも打撃か-為替予測で注目度増す


【記者:Chris Fournier】
2月23日(ブルームバーグ):半年前までは国債の保証コストを示すクレジット・デフォルト・スワップ
(CDS)の価格にあまり関心がなかったと話す三菱東京UFJ銀行の為替ストラテジスト、
リー・ハードマン氏(ロンドン在勤)がここにきて、為替相場を予測するためCDSの動向を分析している。
同氏はその結果、円と英ポンドの下落が予想されると言う。

ハードマン氏は、昨年9月の米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの経営破たんを発端とした
信用市場の機能停止「以前は、国債CDSに関して極めて詳細に検討しようとは考えはなかったが」、
「今は、為替レートを決定する主要な要素として注目が高まる可能性のある分野だ」と指摘する。

債券のデフォルト(債務不履行)に対する保証コストを示すCDSは、昨年の米ウォール街の混乱に
拍車を掛けた要因として批判されたが、ここにきて国債のCDSが通貨の力を測る指標としてトレーダー
に利用され始めている。世界各国が少なくとも2兆4000億ドルの景気刺激策を約束し、国債を増発
するためだ。各国中央銀行は政策金利をゼロに近づけており、国債利回り格差が縮小していること
から、金利差は為替レートの予測手段として有用性が低下している。

円との相関性

本来、社債のデフォルトに対する保証として考案されたCDSは今、カナダ・ドルやニュージーランド
(NZ)ドルなどあらゆる相場の方向性を予測する手段として活用されており、国債のデフォルトに対す
る保証コストとしての利用が増えている。CDSの価格は発行体の返済能力が低下したと認識され
ると上昇する。

1月以降、円と日本国債のCDSの価格の相関係数はマイナス0.43に振れ、投資家の懸念が高
まっていることが示唆されている。円とCDSの価格は昨年の同時期には、相関係数はプラス.88で
並行して動いていた。

政府統計から日本のリセッション(景気後退)の深刻化が示されている。2008年10-12月
(第4四半期)の国内総生産(GDP)は前期比年率で12.7%減と、1974年の石油危機以来最大の
落ち込みだった。円は対ドルで今年2.9%下落し1ドル=93円35銭付近で推移しており、2月は
昨年4月以来最大の下げとなりそうな様相を呈している。

CDSの価格は日本国債のデフォルトが近いことを示唆しているわけではないが、17日にはCDS
スプレッドは121ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、1月30日の49bpから急上昇した
(CMAデータビジョン)。CDSスプレッド1bpは債務1000万ドルに対する保証料1000ドルに相当する。

英ポンドと英国債のCDS価格の過去1年間の相関係数はマイナス0.94。ポンドは同期間に対ドル
で26%下落した。英国債の保証コストは17日時点で175bpと、1月30日の123bpから上昇。ポンドは
同期間に0.8%下落した。

リーマンの破たん以前は、両国債の保証コストは74bpを上回ったことはなかった。ハードマン氏は
保証コストの急上昇は、一段の通貨下落のシグナルだと指摘する。同氏はポンドが1-3月
(第1四半期)末までに1ポンド=1.35ドルに、円は09年末までに1ドル=100円にそれぞれ下落する
と予測している。

原題:Bringing Down House With Credit Default Swaps May Hit Yen Too(抜粋)

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