Black-Scholesは間違っている2

「株価は正規分布ではなく、もっとファットテイルな振る舞いをする。だからBSは間違っているから信じない。」

とイライラする知ったかぶりをする輩には、
BSで想定しているのは対数正規分布という認識ですが、対数正規分布と正規分布の違いはご存知ですか?
と質問してあげると大体沈黙。
0円のTrade Priceってのは株式市場ではつかないんだぞ? 板見てるかお前?
と追い討ちをかけましょう。

BS信じないって宗教じゃないんだからさぁ。勘弁してよ、もぅ。
信じないといっておきながら、Implied Volatilityって言葉を使ったり、盲目的に数値ばかりの
Delta Hedgeするというのは矛盾してるってことに気づけ。

またこの手のタイプに限って、思考停止による他力本願とモデルに対する盲目的信仰心が強く、
進んだ非BS系モデルを使えばデリバは儲かるという幻想を抱いている
のか
「他の会社では(もしくは一般には)どのようなモデルを使っているのか?」という質問をしてくる人が多い。

俺はそういう時こう答える。
お待ちください。Exoticに入る前にPlain Vanillaの振る舞いを捉えるために、"一般には"BSが
使われていると思いますが、株価が幾何ブラウン過程で無い以上そこには問題があります。

一般的に使われているBSの問題点を説明できないレベルにあるならば、Exoticはまだ貴君には早い。
(おっとまたも敬体to常体変化だ・・・これは実際にはマナーとして言わない方が賢明である。)

どんなモデルでも所詮モデルであり、現実の市場の振る舞いとのズレを消すことは難しいのは事実です。大事
なのはAdvanceなモデルを使うことではなく、自分が使っているモデルを正しく理解し、どのようなマーケット
状況でそのズレが顕著になり、どのように対処すべきなのかを常に頭においておく
心掛けだと考えております。


「ノーベル賞学者が居たと言われるLTCMでさえ、大損してつぶれたんだから理論なんて・・・」

LTCMが損した主な原因は、幾何ブラウンを想定してOutなオプションをATM Volatility Level
でドカ売りして死んだのではなく
ハイレバレッジと国債のSpread取引と聞いています。
ハイレバレッジと国債のSpread取引ってこれ、Arbitrageでもなんでもなくて、所詮、債券トレーダー
上がりのメリウェザー
による相場観とFixed Income君にありがちな平均回帰期待であり、彼らが使った
理論というのは、Black-Scholesではなく、我々日本人なら小学校で習う引き算
ですよ、引き算。


↑我ながら最低な性格の文章ですね。所詮ブログ、ブログね。笑ってもらえました??
ではお言葉に甘えて、僭越ながらもういっちょ。


「あっ、今、Thetaが落ちました。」


希代の名台詞として私は忘れることができませんが、
Thetaとは、BS・期間構造無しという想定の上では定義が容易なデリバティブの価値の時間微分です。
すなわち単位時間当たり何円デリバティブの価値が変動するかを示した指標で、一般には単位時間は
1日と定めます。
時間は連続的なものなので、Tradingの最中に「今Thetaが落ちました」という台詞を平気で言う者
がShort TermのOptionをTradingするのはBusiness Risk
以外の何者でもありません。

【非幾何ブラウン運動系関連記事】
2009.09.29: Black-Scholesは間違っている
2009.06.23: Marketの振る舞いO/NとIntraday
2009.04.14: SingaporeのGDPとSGDのJump
2008.12.26: 将来の株価をVolatilityで予想ってお洒落
2008.02.01: Skewness(歪度) マーケットの非対称性 
2008.01.24: 恐るべしJump DiffusionとVAR-SWAP
2007.12.27: Jump Diffusionと市場効率性

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Comments [15]

デリバティブはしばらく触っていないので、記憶が定かではないが、株が対数正規分布ではなく、株のReturnが対数正規分布ではなかったですか?

また、”一般的に使われているBSの問題点”というのはJumpとか、Volの分散とかのことですか?Local Volモデルが話お前提で、Flat Volは議論対象外で、ご教授お願いできますか?

BSやそれに近いモデルを使っている人は多いと思いますが
BSの仮定に従ってBookの運営をしている人は少ないと思います。
(普通Volや金利のマークは変えるでしょうし。。。)
その仮定を変えることによって生じるPnLインパクトとヘッジの意味は
知っておくべきではないかというのが私の意見です。

しかし、BSが間違っているという話だと正しいモデルとは
いったいどんなモデルなんでしょう?
あと理論に何を期待いるのか知りたいところです。

株価の対数正規分布=株のリターンの正規分布
ちょっと頭が混乱していました。

誰にも1年後の株価の動きは分からないし
正確な分布というものは存在しないでしょう。
しかし、オプションという将来の株価によって価値の決まる
商品の値段がそこにあるわけです。
BSはその値段を図る1つの物差しだと思います。
(30cmの直線定規のようなものをイメージして頂けると幸いです。)
達人の手にかかると直線定規で大抵のことは出来てしまうのです。

しかし、より複雑な商品が登場してくると人々は様々な長さの定規を
組み合わせたり、人によっては曲線定規を使ったりし始めます。
(レーザー測定器(笑)が出てきたりもします。)
こうしたものを使って元のオプションを図ってみようという人も出てくる
でしょうし、複雑な商品の中には直線定規では対応が難しいものも
存在するでしょう。

しかし、精密な測定器を使って何を観測しているのでしょうか?
存在しない正確な分布というものを探し求めているに過ぎないのです。
(これは精密なモデルの否定ではありません。物には多角的な見方が
必要だと思います。)

世の中色々なモデルがありますが別にどれが正しいと言う訳ではなく、
結局元に戻ってしまいますが、使っているモデルの特性と当てはめる環境
に応じた使用法を考えるところに帰着するのではないでしょうか。

LTCMの話なんかは話出すと2時間くらい止まらず
周りを辟易とさせてしまうこと請合いです。
またの機会にお願い致します。(笑)

舌足らずで申し訳ございません。
金利裁定に関しては朝から晩までどっぷり浸かっていた時期が
あったので引き算で片付けられてしまうと少し残念です。

確かユーロ導入に伴うユーロ各国の政策金利の一元化にベットしたものですね。
彼らも最後の方はMA Arbなんかにも手を出していたようですから
何でも有りになっていた感じはします。
マーケットのキャパに対してバジェットが大きくなりすぎたのが
上手く行かなくなった原因ではないかと思っています。

「あっ、今、Thetaが落ちました。」

ぼくも忘れることはできません。

「宝くじは買う場所によって期待値が変わります。」
は私も覚えています。彼は「期待値を上げるため」に
わざわざ銀座の宝くじ売り場まで買いに行ったんですよね。

「あっ、今、Thetaが落ちました。」は知らないですが、
これだけじゃなんともいえない気が。

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