50% Knock-In PutのPremiumって実現できるの?@最終章 LVの要請

Local Vol Model(LV)の問題点=LVで理論通りの収益になるためには何が必要か?

LVの理論値の要請はStatic-Hedgeの実現だよ。直訳すると静的ヘッジだけど、要は完全ヘッジのこと。
つまり、Exoticをトレードすると同時に、完全なるDuplicationをVanillaで構築し、
Vega・Gamma Exposureがいかなる時点・株価でも0になるようなPortfolio。
そうすればVanillaのリバランスは不要になる。これがうまくいけば、オプションプレミアムが実現する。

Static Portfolioはバリア直前で無限枚のLong、直後で無限枚のShortみたいな形になるので、
実際には実現は不可能だ。詳しくはDerman and Kaniの論文でも見れば載ってたはずだ。
だが、ほぼ誤差の範囲と思えるレベルのStatic-HedgeをSemi-Static-Hedgeと言うが
S-S-Hができていれば、LV通りに振舞う。

LVってそういう意味なのよ。Static Hedge想定なわけ。
リバランスが必要(Dynamic Hedge)になるマーケット環境・StructureではWorkしないの。
全体のVegaだけ見て、VannaもVolgaも考えずに場当たり的にVanillaでVega Neutralだけ
作ってるだけの場合もWorkしない
。おっと言いすぎたかな?

動的にVegaのTradingするという宣言だからね。
LVを使っちゃいけないのよ。そういうTradingするってことは。
LVを使って、どうもこのままの値を信用できないなという時は、Hedged Portfolioのリバランスを
想像すること。それはLVに含まれていない。

そして、最初の問に戻る。相談者が持ちかけたKnock-Inは12年のIndexのBarrier Optionで
あったのでVegaだけでなくて、金利変動が問題になる。
dSdr(株価変動による金利リスク変動)が小さくないので金利に対しても大きなDynamic Hedge
が発生する。ここをどうPriceするか
だね。
これは金利のVolatilityそして株価と金利のCorrelationに対する相場観だよ。こういうのが
デリバティブの相場観
であり、Volaが25%->26.5%に上がると思う というのとは本質的に異なる。
株と金利だと出ないけど、日経平均と金利だと相関出ると思うよ。Indexと言っていたからその
Corを実際に計算してみるといい。その計算の仕方も何考えずにDailyでやってはいけない
株と金利のVolatilityとdSdrの大きさを見てリバランスがどのくらいの頻度で必要そうか見積もり
その頻度で二つがどのような相関を持つかを考える。それが一番合理的な"想像"だと思うね。
パラメーターの計算、Greeksの計算、モデルの選定も含めて、全てが実際のHedgeに基づいて
いないとあんまり意味のある計算にならない。

【金融工学理論の実践】
2009.11.10: 為替オプションの基本勝ちパターン? プッ
2009.10.08: 亀井さん日経平均先物禁止
2009.10.06: Black-Scholesは間違っている2
2009.09.29: Black-Scholesは間違っている
2009.08.05: 金利をSalesに教える
2009.06.16: VAR SWAPのGamma+VanillaのGammaでGamma Neutralになるか?
2009.06.02: Multi Underlying OptionのGamma Trading
2009.05.26: Crossed GammaとDeltaの定義
2008.10.13: 株と通貨の相関
2008.09.21: CDSはCorrelation Derivatives
2008.01.21: 悲しい時は、中立測度変換
2007.12.26: Global Basket Correlation

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Comments [21]

Peter Carr の言うStatic Hedge とはまた違ったイメージですね。
面白そうなのでちょっとPaperを読んでみようと思います。

うーん、まったくおっしゃる通りですね。
Reverseの場合は苦肉の策で非Reverse+NTに分解して
扱うしかないかなという気がします。
(どうしてもPeter Carr の方法を使うならですが。。。)
理論解ベースの考え方ですので金利差やVol Surface の変動には
脆弱で長い物には使えないかなと思います。
Dermanはまだ読んでないですが、楽しみです。

こんばんは。最近読者になりました。質問なのですが、ACでKOした際、Hedge側が不要になると思うのですが、その後の対応をどうするか悩んでおります。それともKO確率でVanillaの量は調整し、なだらかに解消するのが良いのでしょうか。(状況次第だとは思いますが。)
フローがあればそのままそのHedgeポジションを使って新しく組成することも可能かと思しますし、またKOが105%とかならばPosition Favorになりやすいのか?などと考えを巡らせております。
このあたりエキゾさんはどうお考えでしょうか。

エキゾ様ご返信ありがとう御座います。

ご指摘の通り、離散参照KOでFixingに近づくにつれIntrinsicに近づき、ガンマショートがキツくなるようなものを想定しておりました。

>Put Short×KO確率ではVegaとGammaが全く合わないはずです

たしかに紙に書いてみるだけでも、Put Short×KO確率ではOption Valueの形状見てすぐに違うと気づきました。もっとよく考えてから質問するべきでした。

>手前でRisk Reversal
とても勉強になります。確かにこれだとKOへのプロテクションにもなって良い気がします。Call Spreadを組むのと、どちらが良いかまた考えたいと思います。

またコメントさせて頂ければと思います。

>VegaのPeakはStrikeより下目に現れます。
確かにそうですね。さらにもし60%DI PUTであれば、80%付近でVegaが最大となるイメージです。

>大域的にとらえれば、一見したGamma ShortがLongに見えてきますよ。
私はまだ経験不足なので、どうしてもGamma Shortに見えてしまいます・・・。

エキゾ様、非常にわかりやすい解説をありがとうございます。

>Delta:={f(S×1.01,)-f(S×0.99)}/2
両側差分で計算ですね。確かにPLはPVの差分ですし、DeltaはPVのBumpを用いています。

一つこれに絡んで質問なのですが、Δ・ΓをRegressionした方が良い、しない方が良いという議論があると思いますが、こちらについてはどうお考えでしょうか?

>1day1σが大体1%程度だから
目から鱗でした。確かに実際のヘッジまで真剣に考えると、そういう考え方もありますね。

こんばんは。

>Payoffの不連続性
確かにおっしゃる通りですね。ちょっと反省しています。

>値段毎にΔは前日に計算しておき、頭に入っていませんか?
ポジションを持っていないので何とも言えませんが値段毎にΔを計算して頭に入れておくという気持ちは凄く分かります。

いろいろと教えていただきましてありがとうございます。

こんばんは。
いつもとても楽しく拝見しております。
エキゾさんとMxさんのキャッチボールとても興味がある話題です。
いきなりの質問で誠に恐縮ですが、実際にLV使ってACのStatic Hedge(Semi-Static含む)を実現する場合、Vanilla使ってVega bucket毎のVega,Vanna,VolgaをNeutralにするようにReplicateして余ったGamma,Thetaは応相談というのが流れなのでしょうか?
Vegaもそうですが、Vanna,Volgaまで含めるとHedge数量がかなり多くなると思いますが、Marketにその流動性がないときはStatic Hedgeは不可能ということなのでしょうか?

エキゾ様、丁寧な返信+解説ありがとうございます。
とても勉強になります。

>経路依存の典型である連続参照Knock-Inでは至るところにVega Exposureがあるわけですが、それをLVで各点の微小変化をとり・・・なんてことはするだけコストの無駄かと思われます。

何とかSQ毎のACのVega,Vanna,VolgaをVanillaの組み合わせでReplicateして最適化する事でVega Exposureを限りなく0に近づけられるのではないかと考えましたが、おっしゃる通り、コストの無駄ですね。

加えて質問なのですが、エキゾ様はLV使う時、Local Vol Surfaceを意識されていますか?
LV SurfaceはIV Surfaceから構築されるのでIVとIVに対するVegaを把握していれば十分であるという認識は間違っているのでしょうか?

エキゾ様、返信ありがとうございます。

>IVに対するVegaをLV Modelで常に問題なく計算できますか?
IVを1% Shiftさせたりすると、Arbitrage Freeが崩れたりしませんか?

Dupireの公式の表記でもありますが、LVは時間方向でC1級のArbitrage free,Strike方向でC2級のArbitrage free(両方ともnegativeの場合除く)
でなければLVがnegativeとなって計算できないとの認識です。

>オプションポートフォリオの中の複数のIVの動きを一様に表現するのは難しいです。

その通りだと思うのですが、一様に表現できないとなるとLV使ったExoticのVega認識はどのように表現すれば正しい(最も管理しやすい)のでしょうか。
パラレルシフトとかSQ毎のShift,Skew,Convexityなどで認識するのでしょうか?
直感的にはVegaのStrike-MaturityのMatrix(上記のようにLVでは計算できない可能性あります)で把握するのが最も管理しやすいのではとも考えます。

エキゾ様、返信ありがとうございます。

>自らの主観をもって、リスク値を計算する必要があります。それこそがデリバティブの相場観なのです。

デリバティブの真理をついているような言葉なので刻みたいです。
今後も正解のない中で奮闘しながら考え続けていきたいと思います。

とても丁寧な返信と解説、本当にありがとうございました。

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