トップレフト ウォール街の鷲を撃て

「その記者には全面否定しておいた。しかしとにかく、諸君らには万全の注意を払ってもらわ
なきゃ困る。噂が立っただけでアービトラージャーどもが動き出し、『標的』の株価が上がって
買収も糞もなくなるのは専門家のきみらが一番よく知っているはずだ。」
アービトラージャー(裁定取引トレーダー)とは、買収計画発表後の株価上昇を狙って、買収の
標的になりそうな企業の株式を買い集める者をいう。80年代にはアイバン・ボウスキーという
後にインサイダー取引で逮捕された男がこの分野で活躍した。ウォール街で最も成功したア
ービトラージャーは「究極のトレーダー」ロバート・ルービンである。ルービンは名門投資銀行
ゴールドマン・サックスで10年間にわたって同行のアービトラージ部門を率い、社内では常に
M&A部門に告ぐ利益を上げた。その後ゴールドマンの共同会長を経て、1995年クリントン政権
の財務長官に就任。FRB(Federal Reserve Board、米連邦準備制度理事会)のグリーンスパン
議長とコンビで米国を史上空前の好景気に導いた。


すっごい実名報道。
買収の標的になりそうな企業の株式を買い集める行為をアービトラージと言ったら間違いだが
買収の標的になりそうな段階で買いに走るのは、確かに"アービトラージャー"であることが
多い
だろうな。


「アメリカの投資銀行のやり方は、弱い者を見つけたら徹底的に搾り取る。法律に触れさえしな
ければ何をやってもいいというのが彼らの流儀で、日本人と違って道徳観という歯止めがない。
事情を知らない奴は徹底的にカモる。それがアングロサクソン流だ。アメリカの企業や投資家だ
って彼らにはずいぶん酷い目に遭わされている。南カリフォルニアのオレンジ郡が良い例だ。」
「あの事件を引き起こしたのはメリルリンチのセールスマンでしたっけ?」
「オレンジ郡の財務官が、インバース・フローターという商品をメリルリンチのセールスマンから
買って17億ドルの損失を出した事件だ。インバース・フローターはロケット・サイエンティストが
非常に高度なコンピュータ・モデルを使って設計した商品で、偏微分方程式を使わないと値段
が決められない
。その財務官は自分は米国最大の投資家の一人だと豪語していたそうだけど
パソコンもろくに触ったことがない69歳の老人がそんな代物を理解できるはずがない。」

>高度なコンピュータ・モデルを使って
>偏微分方程式を使わないと値段が決められない。

間違っちゃいない。確かに間違ったことを言ってるわけではないのだが言葉尻が気になるな。
「コンピュータとモデルと偏微分方程式は値段を想像する際の助けとなる」程度だな。
じーっとそればかり見ていると、UnderlyingのBehaviorとDerivativeの条件だけで、モデル無
しでもPriceがボワーっと想像できるようになってくる
という意味では間違ってるかな。やっぱり。
で、素人はコンピュータを使おうが偏微分方程式を使って出てくる数値見てPriceするなんて、
絶対無理。

>パソコンもろくに触ったことがない69歳の老人がそんな代物を理解できるはずがない。

バフェットはGSやGEのワラント+優先株のPriceする時に、パソコンで計算したとは思ってな
い。もちろん、それは私の想像に過ぎないがね。インバースフローターとワラントを一緒にする
なという金利デリバティブ従事者諸君の怒りが聞こえてきそうだが。

金融街シティのリバプール・ストリート駅近く。堂々と聳える茶色の13階建てのビルは欧州復
興開発銀行(European Bank for Reconstruction & Development,略称EBRD)ロンドン本部だ。
この国際金融機関はフランスの天才ジャック・アタリがミッテラン前大統領に進言し、ヨーロッパ
と旧ソ連圏を結びつける目的で1991年に設立された。昨年1997年末の加盟国数は60ヵ国。
職員数804名。最大の出資国は米国で、日本は英・独・仏と並ぶ第二位の出資国として17億
350万ECU(エキュー、約2500億円)を出資応募している。

LTCMの話も実名で出てくるんだなぁ。
ところでこのトップレフトで扱ってる題材は、トルコ・トミタ自動車に対する1億5千万ドルのシンジ
ケート・ローンをどうするか?って話。

ちっちぇー。LTCMも同列に書かれたら怒っちゃうと思うぞ。

100-200億円のファイナンス。それって小さくはないだろうけど、大きいとは思えないな。本では
さぞかし超ビッグディールみたいに書いているけど、通常業務なのではないかな?
トルコリラの世界だと大きそうだが、バルジにおいて、それがそれほど大きなウェートを占めると
は考えにくいがなぁ。

トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て (角川文庫)トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て (角川文庫)
黒木 亮

角川書店 2005-07-23
売り上げランキング : 39897

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


【アービトラージとは、裁定取引とは】
2010.08.26: 株メール Q4.複数上場の場合の株価と為替の連動性
2010.05.13: 中国株先物の裁定可能性の検討
2010.01.08: 50% Knock-In PutのPremiumって実現できるの?@理想的な世界にて 
2009.12.14: HとAどっち? 
2009.12.11: Early RedemptionとCouponの関係 
2009.10.06: Black-Scholesは間違っている2 
2009.07.28: Exotic Parity2 
2009.03.18: 歯磨き粉の買い物と債券Arbitrage 
2009.02.27: VolatilityとCredit Spreadの関係 
2008.10.14: 日経225オプションの誤発注 
2008.02.12: アジア通貨を考える ~アジア最大の中国(CNY)  
2009.01.26: Exotic Parity
2007.12.14: 久々のお買い物 C 5.875 FEB 2033

Track Back

Track Back URL

コメントする

公開されません

(いくつかのHTMLタグ(a, strong, ul, ol, liなど)が使えます)


画像の中に見える文字を入力してください。

このページの上部へ

Ad

LINEスタンプ「カバコ」公開されました!

top

プロフィール

投資一族の長


サイト内検索

最近のコメント

Twitter Updates