最強ヘッジファンド LTCMの興亡 ~彼らの投資戦略

ロングタームが認めようが認めまいが、債券アービトラージの秘密はもう秘密でもなんでもなかった。1990年代後半になる
とウォール街の投資銀行は殆ど例外なく、大なり小なりゲームに参加していた。大半は独立したアービトラージ部門を設け
ていて、専任のトレーダーがどんな小さな機会でも見逃すまいと、市場の隅々にまで目を光らせていた。必然的に、彼らを
惹きつけたまさにそのスプレッドが擦り減っていく。ロングタームに言わせれば、証券ビジネスの困ったところは、本質的に
開放されている点にあった
。誰にでも買えるし、他人の手口をまねることもできる。パートナーの好む隠密スタイルは、市場
の厳しい民主主義とは相容れなかった。彼らは次第にもっと流動性が低い資産を、もっと長期的に保有して、いまいまし
い人まねサルどもの手の届かないところで投資するという考えに傾いていった
。商業用モーゲージ証券、おなじみの住宅ロ
ーンを裏づけとするIO債やPO債とはまったく別、一般にCMBSと呼ばれる証券だ。*住宅用モーゲージ証券でプールした
住宅ローン債権から発生するキャッシュフローをInterest Only債とPrincipal Only債に分割、借り手が借り替える場合、ロー
ンは一括返済され、多額の元本がいっぺんに支払われ、利息プールへの支払いはそこで途絶える。よってIO債は値を下げ、
PO債は値を上げる。
ロングタームの食欲はあきれるばかりで、年間発行額はたちまち300億ドルから600億ドルへと膨れ上がった。しかし、商業
用モーゲージはそれほど大きな市場ではない。そこで、株式が - 現物の株が - はるかに巨大でいっそう輝かしいフロン
ティアとして浮かび上がってきた。普通、ロングタームのような数学的な思考回路を持つトレーダーは、株には本能的に手を
出さない
。債券の価格評価はつまるところ数学に集約されるが、株価の評価はそれよりはるかに主観的だ。経済学者のバー
トン・マルキールはかつてこう言った。「全能の神と言えども、普通株の適正収益率はご存じない」
 しかしロングタームキャ
ピタルはご存知だった
。少なくともそのモデルを株式にも持ち込めると、恐れを知らず考えた。


FI民族様
ようこそ。株式の世界へ。いらっしゃいませ。でもおかしいですねぇ。神聖なる株式市場は確かに大きさは魅力的ではあるが
市場開放性という意味では債券よりもさらに高まっている。いわゆる"サル"どもの巣窟のようなところでございましてね

債券トレーダーさんよ。プロだけが参加する債券市場とは、ちぃと事情が異なるってことは、当然、ご存知ですよね? 
神も知らない適正収益率をご存知だそうですからねぇ。

フォルクスワーゲンの種類株、優先株と普通株のスプレッド取引だってさ。

ペア株は完全なアービトラージではない。双方が完全な等価になっていないからだ。フォルクスワーゲンの優先株は普通株
に対して割高になるだけの"価値"がある。ドイツなど欧州諸国の経営陣は、米国と違って、株主をすべて公平に扱う責務が
あるとは考えていないだけに、なおさらそう言える。どの程度まで割高になれば"適正"かは、誰もわからないがフォルクス
ワーゲンのように、40%割高というのは行き過ぎだろう。

議決権の価値はいくらなのか? 
フォルクスワーゲンの優先株は普通株より価値があるというバリュエーションだろうが、日銀の優先出資証券の価値はどう
考えるかね?あの価値こそ、金利や為替と同じ。そう、いくらでも良いんだ! そのいくらでも良いものを普段扱ってる君たちに、
議決権の価値を論じることができるのか?

ロングタームはどうやってそれだけの株を買う資金を借り出せたのか、読者が不思議に思われたとしても無理は無い。
FRBは「レギュレーションT」と呼ばれる規定のもと、ブローカーによる信用取引貸付、いわゆる信用買いに制限を設け
ている。過去25年間、FRBは信用買いの上限を投資総額の50%に制限してきた。ロングタームは株を買う時、当然
レギュレーションTの制約を受ける。ところがロングタームは、株式ポジションの大部分を現物の株を買うことなく構築し
ていた
。現物ではなく、株価の動きと連動するデリバティブ取引を利用していたからだ。


うむ、この点は流石ロングターム。デリバティブをわかりきってるね。
デリバティブの前においては、いかなる規制も意味をなさない。


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