ガンダム1年戦争 ~国家体制 1/4

戦争当事国の政治体制 
国家の正式名称は政治体制を表しているのが普通だが…

地球連邦は連邦制だし、ジオン公国は公王制ということになる。連邦制とは統一された主権の下、中央
政府と地方政府が権限を分けて国民国家を形成している制度
を言う。アメリカ、オーストリア、カナダ、ス
イスなど、多く存在する。ほとんどの場合、外交、軍事、通商、通貨、通信、交通など統一した政策を必
要とするものを連邦政府が担任し、治安、教育、福祉などは地方政府の分担となっている。地球連邦の
場合は、地球と各スペースコロニーで連邦を形成していたのだろう。地球も、いくつかの地域に区分されてい
たものと思われる。しかし、中央と地方の力関係がどのようなものであったのかはわからないし、元首の存在
も不明だ。元首がただ『ガンダム』の劇中に登場しなかっただけなのか、あるいは、はじめからいないのかは、
明らかにされていないのだ。一方のジオン公国は、その名の通り公国制を敷く。公国(principality)
とは公(duke)の称号を持つ人間が統治する小国
だ。"公"というのは大公や公爵のことで、国王に比
べると格は一段下がる。また、公国は完全な独立国ではない。たとえば実際にある公国・モナコは、一応は
独立国で元首はいるものの、関税権はフランスが握っている。元首の存在さえ不明確だった地球連邦にくら
べ、ジオン公国のほうははっきりしている。元首は公王だ。その下に首相がいる。首相が行政全般に対して責
任を負っていると考えていいだろう。首相には国会で選出される場合と、元首によって任命される場合があ
るが、ジオン公国ではおそらく後者だろう。反民主主義を標榜するザビ家が、多数決で首相を選ぶようなこと
を許すとは思われないからだ。もっともどのような手段で首相が選ばれようが、ジオン公国では首相はもちろ
ん、公王でさえ有名無実の存在だ。政治、軍事はギレン・ザビによって動かされている。ギレンの正式な肩書
は大将だが、彼が劇中でそう呼ばれることはほとんどなく、もっぱら総帥と呼ばれていた。広辞苑などを引くと
総帥とは"全軍を指揮統率する人。総大将。最高指揮官"の意味だ。組織内の正式な職名ではなく、事
実上の支配者を指す言葉である。


戦争の大義名分 ジオンの独裁者はいかにして国民を戦争にかりたてたか

ジオン公国はサイド3がジオン・ズム・ダイクンの主張したジオニズムを実践すべく共和制を敷いた国家だ。
オニズムとは、生命発祥の地である地球を聖域とし、、環境汚染の進行を停止させるため、すべての人類
は宇宙に居住すべきだというエレズムと、すべてのスペースコロニー住民は自治権を保持すべきだというコロニ
ズム(サイドズムともいわれる)を合わせた思想
である。この思想は多くのスペースノイドの共感を呼んだが、
ジオン・ズムはそのためには独裁が必要であるなどとは一言も言っていない。結局、ギレン総帥はジオニズム
を自分に都合のいいように解釈し、変質させたわけだ。ちょうどマルクス主義が、レーニン、スターリンを通じて
共産党による一党独裁体制に変化していったのに似ている。戦争時には自分たちの民族の優秀性を主張
し、それを持って戦争を正当化する場合が少なくない。第二次世界大戦時の枢軸国、日本、ドイツ、イタ
リアがいい例だ。また旧ユーゴスラビアのセルビア人の一部では大スラブ主義が唱えられ、悲惨な内戦をもたら
した。

ジオン公国における民族主義とは?

スペースコロニーが地球からの移民で成立しているからだ。民族主義を主張する場合、その土地は古くからそ
の"民族"が定住しているものだが、スペースコロニーでそんなことはあり得ない。サイド3には同じ民族がそっ
くり移住したのだろうか? とするとほかのサイドでも民族ごとに移住が行われたのだろうか。ジオン国民は一つ
の民族なのか。民族は言語、文化、宗教を共有しているもの
だが、このうち言語はそのことを判定するための
参考にならない。地球圏の人間は、みな同じ言葉を話しているからだ。それは英語と思われるが実際のところ
は不明だ。また文化についてもはっきりと書かれていない。ただ移住させるなら一定の地域の人間を同じコロニ
ーに移してしまう方が効率がいいだろう。明治維新から大正期にかけての北海道開拓移民のようなものだ。
するとやはりジオン国民には民族的同質性が存在していたのである。さらに宇宙移民が多くの場合、個人の
意思とは無関係に行われたであろうことも忘れてはなるまい。常識的に考えてスペースコロニーなんぞに住み
たいと思うわけがない。住み慣れた土地を離れるのだし、行先は宇宙だ。些細な事故からコロニーの住民が
全滅してしまうのではないか、という不安も、当然あったはずである。一方、地球に残った人間もいた。
行くか残るかを分けるものは、おそらくカネか権力へのコネであったに違いない。コロニーには地球に残った人間
への怨嗟の声が満ちていただろうし、移住させられることに劣等感も感じただろう。そのような感情がジオニズム
を受け入れる土壌になったろうし、またギレン総帥の歪んだ思想をも支持してしまったのではないか。


【フィクション系読み物】
2010.08.23: 燃えよ剣
2010.03.12: 探偵ガリレオ 東野圭吾
2009.11.23: 沈まぬ太陽
2009.10.16: 華麗なる投資一族 明るい家族計画
2009.10.09: 華麗なる一族 困った女と良い女
2008.08.27: 3人の文学少女
2008.08.20: 久しぶりに小説を
2008.05.08: サロメ
2008.05.07: 魂を賭けよう
2008.05.05: 懐かしの民明書房刊

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