史上最大のボロ儲け ~懐疑的な投資家 3/6

ボストンのゴテックス・ファンド・マネジメントでヘッジファンド投資を担当していたリチャード・リーボヴィッチは会談の席でポー
ルソンを質問攻めにし、こんな取引がうまくいくはずがないと繰り返し告げた。また、自分は先頃エリントン・マネジメントの
敏腕トレーダー、マイク・ヴラノスと話をしたが、住宅市場については何の心配もしていなかった、とも語った。
「ヴラノスよりも自分のほうが正しいなんてどうしてわかるんです?」
「住宅ローンの専門家でなければ未来がわからないなんてことはありません。ヴラノスが住宅ローンの天才であろうとなかろう
と私には関係ないことです。私の見解だって筋が通っているでしょう?」
結局、リーボヴィッチは新しいファンドへの出資を断ったが、ポールソンの会社のほかのファンドから手を引くことはなかった。

2008年の終わりまでファンドから資金を引き上げられないシステムに不満を漏らす投資家もいた。これはポールソンが
決めたことだった。ファンドの利益が出始める前に、顧客が資金を引き上げてしまい取引が継続できなくなっては困るから
だ。「投資家たちはこう言っていた『あなたは自信満々にそう言いますが、それならなぜ誰もそうしないんです?どうして住宅
ローン会社はあなたと違うことを言っているんです?
』ってね。私は言ってやったよ。『あなたを納得させるのが私の仕事では
ありませんから』」


>投資家ってそんなもんよのぉ。ポールソンが切れる気持ちはわかるわ。みんなと同じが良いなら、俺のところに来るな、ボケ。


「政府が介入してきたらどうなると思う?」日常的な電話や会議の席で、ポールソンにそう詰め寄ったのはピーター・ソロスで
ある。ソロスによれば、政府が住宅ローン保有者を助けるに違いないという。「もうすぐ選挙なんだ。2-300万もの住宅
保有者が家から追い出されるような事態になれば議会が黙ってみているわけがないだろう。」

>びびるわ・・・俺なら。さすがポールソンじゃ。

プロテジェ・パートナーズのジェフリー・タラントは、ポールソンのファンドに出資したいと考えていたが、顧客からの反対に遭った。
「顧客の一人に『どうしてネガティブキャリーの取引なんかに同意するんです』って言われたよ。社のトレーダーからも注意され
た。『ポールソンはこの分野の専門家ではありません』とか『ポールソンは自分のしていることがわかってないんです』とかね。」

>だよなー、ネガティブキャリー嫌われるよなー。

ポールソンは新たなファンドに出資してくれる投資家をいまだ充分集まられないでいた。資金の合計は1億4700万ドル、
数十億ドルで新たなファンドを始めることもあった当時としてはわずかな額と言うほかない。2006年6月初めのある朝、ブラ
ッド・ローゼンバーグが印刷したばかりのプレスリリースをつかんでポールソンの執務室に飛び込んできた。全米不動産協会に
よれば、この12ヶ月の間に住宅価格はわずか1%しか上がってないという。ポールソンはにやりと笑った。これこそ待ち望んで
いた情報だ。ポールソンは以前から住宅価格が横ばいになれば、あらゆる不動産担保証券のBBBトランシェは損失を被り
始めると予想していた。その主観が目前に迫っている。1億4700万ドルしかなくても始めるには充分だ。ポールソンは決心
を固め、ローゼンバーグに買いに出るように指示した。ついにクレジットファンドがスタートした。
 ポールソンがゴーサインを出した瞬間、取引の重圧がローゼンバーグにのしかかってきた。価格を上がる前にできるだけ多く
のCDSを購入しなければならない
。それと同時にこちらの行動をライバルに悟られてもいけない。ライバルが真似をして大量
のCDS買いに出れば価格が上がってしまう。ローゼンバーグは電話で作業を始めた。1億4700万ドルでBBBトランシェ
のCDSを買い集めるべくウォール街の主要銀行に発注をかけた。ただしこちらの行動がばれないように、できるかぎり何気な
い風を装った。「じゃあ現段階ではいくらくらいなんです?」ローゼンバーグは、はやる気持ちを抑えながらトレーダーから相場を
聞き出した。それから電話を保留状態にし、まるで関心がないと思わせてから通話を再開して購入した。普段から感情を表
に出さないローゼンバーグの態度がここへ来て大いに役立った。電話の対応をしたブローカーは、ローゼンバーグが大量のCD
Sを買おうと躍起になっていることにほとんど気づかなかったようだ。ポールソンが威圧するようにすぐ後ろに立っている
こともあった


>俺のやっちゃうことある。トレーダーの後ろに立っちゃうんだよ・・・、良くないね。邪魔だし、ウザイね。


がローゼンバーグは気にすることなく電話をかけ続けた。CDSの購入を依頼するとどの銀行も破格の安値で提供してくれた。
あまりの安値でポールソンもかえって当惑したほどである。≪住宅価格が下落しそうだという今日のニュースを誰も見ていない
のだろうか?≫
 ベアスターンズの専門家たちはこう切り出した。サブプライムローンが3%以上の損失を被る可能性はまずない。だからBBB
トランシェの価値も大して下落することはない
だろう、と。
「あなたがたはお得意様だから心配しているんです。過去の価格の上昇についてもっと調査をされたほうが良いですよ」
「あなたがたのモデルは何を根拠にしているんです?市場は変わっています。今は書類無しでもローンが組める時代なんですよ。
モデルにはそれも考慮されているんですか?」ポールソンが訪ねた。
「私たちのモデルは完璧です。もう20年もこんなことをしているんですから」そう答える専門家の態度は丁重だが自信満々だった。
 やがてポールソンとペレグリーニは自分たちの取引に大きな誤りがあることに気づいた。そのころ06年になって住宅価格が2%
足らず下落したと言うデータが公表された。ところが会社がCDSを買っていたサブプライムローンの大半は、2006年より前に
提供されたものだった。つまり、それらのローンが担保にしている住宅はすでに価格が高騰していた。これらのローンの借り手は、
容易に借り換えができるため、返済に窮する可能性は低い。「すべての取引をやり直そう。最新の住宅ローンのCDSが必要な
んだ」 幸運にも、CDSの買いかえにはさほどコストがかからなかった。というのも最新の住宅ローンのリスク指標であるABX指
数がいまだ冷めない住宅熱を反映し、100前後の値を示していたからだ。つまり取引をはじめた頃からほとんど値が変化して
いないということだ。指数の値が高ければCDSの価格は安いままである。ポールソンはうまく損失を回避することができた。


>CDSはCreditのDelta Oneってイメージだけど、崩壊直後だとそのオプション性を強く意識した書き方になるのねぇ~。


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