先物・オプションのブローカレッジリスクはトレーダブル

ひまわりHD新安値、子会社証券で決済損不足金80億円発生 - 11/04/08

ひまわりホールディングス(8738・JQS)の下げがきつい。大震災発生直前・3月10日の351円から、
ほぼ一本調子の下げで、今朝は6円安の126円と年初来安値を更新。震災前水準からの下げは
64.1%にも達している。同社が公表した3月30日の資料では、「債権の取立不能の恐れ」がある。
今回の東日本大震災発生による国内株式相場の急落等で、連結子会社のひまわり証券におい
て、株価指数先物・オプション取引顧客について決済損に対する不足金が約80億円発生した
という。同社グループでは取引銀行からの融資により3月30日までに80億円を調達したとい
う。ひまわり証券では証券事業からの撤退を決定し、新規の口座開設及び新規注文の受注を停止
している。ひまわり証券では今後、黒字部門であるFX事業に注力
する方針。顧客との間で回収
作業に努めるものの、個別に勘案し11年3月期の連結決算において貸倒引当金に特別損失の計
上を行う見込み。

愚かな経営判断と言わざるを得ない
先物・オプションのブローカレッジ、さらに為替証拠金のビジネスリスクを経営が理解していない証拠である。
オプションの売りや、顧客にレバレッジを提供するこの種のビジネスは全て、ブローカーがオプションショートのリスクを負い、
それに対しての手数料の見合い
のビジネスである。

すなわち、先物であれば、10000円で先物を買った顧客を持っている場合、証拠金が100万円なら、
1000円以上下回ると、証拠金が不足になる。つまり、業者としては、9000円のプットショートが発生している。
10000円で先物を売った顧客を持っている場合なら、11000円のコールショートに見合うのである。
顧客のオプション売りの場合でも、同様に、証拠金を1000で割った分だけアウトなストライクのショートが発生している
ことになる。

であるから顧客ごとに、業者が負っているリスクを金額ベースでオプションで記述することが可能になる。それを全顧客に
ついて足しあげれば、業者の負っている現在の状態がオプションでトレーダブルな完全なる市場リスクであることがわかる
だろう。さすれば、それをヘッジし、そのヘッジコストを上回るレベルでの手数料を設定するのが正しい経営判断となる。

残念なことに、中小の証券会社では、レバレッジ提供ビジネスの本質を理解していない経営者が多く、単なる他社比較で
よそさんが1枚1000円だから、うちは900円。じゃ、今度は850円というような"感覚的"価格競争に陥っている面が
否めない。よって、このように廃業したり、売りを禁止したり、必要証拠金を上げたり、取引上限枚数を下げたりという処置が
目立つが、このような対処はデリバティブ市場の単なる縮小を生み出すだけであり、リスクは依然として存在している。

この事実を個人投資家や数多ある中小証券会社経営陣に"理解"させてから、ビジネスを再開させるというような試みは
全く意味がない
。どの投資主体も日銭をチョロチョロ稼いで、一気に失うという、典型的ポジティブキャリーを捨て去ることが
できないからだ。ここで、金融は規制産業であることが効果を発揮する。金融庁や取引所は、このような事態に対しての対処法
を考える役割を担っている。だから、私はこれを業者に代行してヘッジを行う預金保険機構ならぬ、オプションブローカレッジ
保険機構の創立を提案する
。もちろん、これは為替証拠金ビジネスにもそのまま拡張できる。

業者は自分たちの顧客のポジションと証拠金を保険機構に提出する。それで、各業者が負っている市場リスク=オプション
ショートエクスポージャーがわかるので、保険機構はそのショートカバーに必要なヘッジコストが計算できる。これが市場時価
で変動するのが多少厄介だが、コンサバな保険料を取って、後日返還する非営利団体でもよし。保険機構そのものを株式会社
化するのもよしだが、その際は株主、兼CEOは私が就任してやっても良い。

証券会社の社長に言ってんじゃねーぞ。金融庁に言ってるんだ。今、お前らがやるべきこと、そして健全な市場機能の創出の
ための具体的な企画だよ。理解できなかったら教えてやるから電話して来い。

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