ドイモイの国ベトナム 2/2 ~貿易と経済

ベトナムを旅行していて気のつくことは、ベトナム人の人柄の良さと節度の正しいことである。特に目につくのは、年長者を大切にしていることだ。ベトナム語では日本語のあなた(英語のyou)に当たる言葉は普通アイン(Anh)という。相手が女性の場合にはチー(Chi)というのだが、これは同年輩の人に対する呼び方であり、目上(年長者)に対する呼び方は別にある。相手が男性の場合はオン(ong)といい、女性の場合はバー(ba)という。ベトナム人は常に目上を意識し、目上に敬意を表し人道的な善と親への孝行を大切にしながら生きてきた。このようなベトナム人の生活信条は、中国の儒教思想によるものだ。

ベトナムは言語の絶する激しいインフレに悩まされてきた。
1983年 2.4
1984年 12
1985年 12
1986年 18
1987年 225
1988年 900
1989年 4,300
1990年 6,466
1991年 12,960
1992年 11,000
1993年 10,100

金利10%以上のVNDは今も下落が続いているな・・・


ベトナムの貿易構造の特徴

ベトナムの貿易統計は90年までルーブル/ドルという単位が使われてきた。これは1ドル1ルーブルとして単にドル建ての数字を足し合わせたにすぎない。それゆえ一つの基準としては使えるが正確さには乏しい。ドイモイ政策がスタートしてからも旧ソ連からの経済援助は続けられていた。そして対ソ貿易で毎年発生する貿易赤字はこれまで通り有償援助として処理されてきた。ちなみにソ越貿易の赤字をみてみると、86年11億ルーブル、87年14億ルーブル、88年14億ルーブル、89年10億ルーブル、90年3億ルーブルであった。ベトナムの国家建設にソ連の支援は重要な役割を果たしてきたのである。旧ソ連ばかりでなく東欧諸国との貿易取引も多かった。このようにして貿易量のうちルーブル経済圏の比重が大きかったのもベトナムの大きな特色といえるのである。

Vietnum-export-import.jpg

92年の貿易黒字は8000万ドルと微小ではあるが、この黒字は建国以来初めてのことであり、このことに大きな意義を有しているのである。あらためてドイモイ政策の正当性が再認識されているのである。だがこの黒字を喜んでばかりはいられない。石油依存が大きすぎるのが頭痛の種である。ベトナムの輸出拡大は品目別にみると石油が大きなウエイトを占めており、石油に対する依存度が大きい。この石油の最大の輸出相手国は日本である。92年の実績によると日本は金額ベースで5.2億ドルの原油を輸入している。ベトナムの輸出総額は24.6憶ドルであったからベトナムの総輸出の21%が日本向けの原油であったことになる。

Vietnum-export.jpg

ベトナムは産油国であり、原油の輸出国であるにもかかわらず、なぜ、石油を290万トンも輸入しているのか、まず、この点に疑問を持たれることであろう。実は現在ベトナムには石油の精製設備がない。そのために国内で使用する石油の精製をシンガポールに依存しているというのが実情である。530万トンの原油を輸出し、290万トンの石油を輸入しているのである。ベトナムが石油精製設備のプラント建設に意欲的なのはそのためである。

ベトナムは1976年の統一以来、一貫して旧ソ連に政治・経済の支援を仰いできた。この現象はドイモイ政策のスタートした86年まで続いていた。ドイモイのスタートした87年以降からは、一部華僑資本の流入が始まり、香港、台湾、シンガポールなどが貿易取引の相手国として登場するようになってきた。だがベトナム経済の基本は旧ソ連に対する依存だった。このような背景の中旧ソ連が崩壊し、その後、ベトナムは政策の大転換をせざるを得なくなった。決定的な転換現象は91年に起こった。

ベトナムを旅行して肌で感じる実感としては、ホーチミン市のモーターバイク利用がハノイ市に比べてみると断然多いように思えることである。ホーチミン市では市内を走っている車のうち約半分近くはモーターバイクであり、後は自転車そしてシクロ、自動車の順である。50cc以下のモーターバイクは免許証がいらないこともあり、アオザイを来た女子高校生なども通学に使用している。

これ見るとホンダの株を買いたくなる動画をどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=3Oyi9N3prBg

凄まじ過ぎるバイク天国。そしてそのほとんどが日本製である。当ブログ読者には少ないと思うが、自動車・バイク製造、部品も含む会社にお勤めの読者諸君は、ぜひホーチミンを訪れて欲しい。日本の技術者たちの汗と涙の結晶が、海を越えたベトナムの地で、こんなに愛されているというのを知って欲しい。エンジニア諸君が作るバイク製品は、ベトナムの民にとって、「腹が満たされたら次何欲しい?」と問われて「バイク」と答えるくらいに愛されている。

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