鬼のように面倒な国家間銀行送金

トレーディングは楽。もっとも手がかかるのが送金。日本の証券会社の場合、証券会社があたかも銀行のように送金できるが、海外にあるネット証券は、銀行機能を持っていない。
Hub-Bank.jpg
絵で描くとこのような構図になっているとしよう。青が銀行・証券間、緑が銀行間、オレンジは証券会社が銀行内に口座を持っていて、資金移動が伴わない銀・証セットだという場合もある。

1.新規送金先登録

AMLの観点から第三者への送金は、金額に制限があったり、申請が必要だったりと手続きが発生する。新規の取引先で無い場合でも、下記のように、例えば、カネが左下の証券会社にあって、右下の証券会社で取引したくなった場合、2回送金しなければならないので、直接薄い赤のラインを引く、同様に2回送金を避けるために薄いオレンジのラインを引く場合は、やはり新規送金先登録をしなければならない。

最もイライラするのが、手作り感満載の送金先指定のフォーマットである。例えば、ある銀行の申請書だが、


Registered-Transfer-Accounts.jpg
どうよ? 銀行名と口座番号しかないのよ?
普通、証券会社向けの送金の場合、
1)銀行名、口座番号(は証券会社の口座番号)、証券会社名、
2)名義人(私)、証券会社内の名義人の口座番号。

の情報が最低限、必要のはずだ。コルレス指定が必要の場合は、さらにもう一つコルレスバンクの情報まで加わるだろう? この銀行は登録の際は1)のみ、実際の送金の時に2)をという形なのだが、それは各銀行の事情によって異なる。しかもSWIFT Code、IBANなどを書き込む欄もない。どの銀行も、そして送金先の設定の複雑さにもよるが、申請するたびに非常に不安になる、一貫性の無さがある。

場合によっては紙・手紙ベースでサインして登録なんて銀行もある。プリントアウトして、郵便局行って、切手と封筒買って…、面倒でしょ?


2.実績のある送金先でも

送金も同様にオンラインだけではできない場合がある。サインした紙を手紙なりスキャンして送る必要がある場合、またプリンターとスキャナーが必要となる。

レギュレーションの変更、ログインエラー(パスワード間違いによる)、個人情報・住所・電話番号などの変更、など様々な要因によって、送金先指定をやり直したり、送金先の送金金額上限が、銀行都合で勝手に発生したりする。しかも、「送金成功」「送金失敗」のエラーメッセージがどうもはっきりしない場合があるので、銀行に電話して「送金は成功しているのか? 失敗しているならなぜできないんだ!!」と聞かなければならない。しかもイライラするのが、「For English Plus 1,For Bank Service ・・・」と延々続くアナウンスで国際電話の自動アナウンス樹海を延々さまよった挙句、聞き取りにくいアジア訛の英語で、わかっているんだか、わかっていないんだかわからんバカ銀行員が出てくると、怒りは頂点に達する。窓口で目の前にいたら、確実に胸ぐらつかんで、グリグリしちゃうほどに怒り心頭だw


3.資金が浮く

こちらの送金方法に1ミリでも手違いがあったり、向こうのミスで、送金元からはカネが消えているのに、送金先にいつまでも資金が現われない場合がある。T+0なのかT+2なのかもケースバイケース。資金は届いていても、私の口座の資金として認識するまで1日、さらにシステムに反映されるまで1日、アメリカが絡んでいるから時差の絡みでさらに1日。

「いいかげんにしろ!! 何日かかってるんだ! このボケがぁ!」 と何度絶叫したことか。

しかも、またイライラさせようとしているのか、
送金先「来てない、知らない、送金元に問い合わせてくれ。」
送金元「もう送ったはずだ、送金先に聞いてくれ。」

「おいっ!どっちが原因なんだ、このボケッ! てめー住所言え、いますぐ行くから、俺の目の前で確認しやがれ!」

とブチ切れまくることになるわけだが、私の経験上、ここまでのステップ、送金元から資金が消えている場合のほとんどにおいて、送金先のどこかにひっかかっていることが多いので、送金先に徹底的に圧力をかけて、探させるのが一番だ。

4.資金が届いた後も

最近付き合いを始めた会社だから、私のことを知らないのでしょうがないのではあるが、「申告している年収に比べて、送金金額が大きすぎる。AMLの観点から説明を求める。」とメール・電話がかかってくる。今は無職、年収0なんだけど、昔は給与をもらっていたのよ。昔の給与を書く欄なかったでしょ? 嘘つくわけにもいかんから、本当のこととして、年収0って書いたんだけど?

「なんか収入証明なり雇用契約書なり出して欲しい」としつこいコンプライアンス部門。えーーーとーーー、オレが給与をもらっていたのは何年前だ? 部屋中探して、なんらかの証拠書類をようやく探し当てた。スキャンしようとしたら、スキャナーが壊れたw

プリントはできるのにスキャンができないという意味不明な事態。今度は、プリンター会社のコールセンターに電話。バカそうなシンガポーリアンがこっちの言うことなどまるで聞いてない様子のマニュアル通りの答えをしてくるが当然、解決せず、結局、カスタマー・ケア・センターへ。そして・・・、そこでも同様、バカそうなシンガポーリアンが、これはウチのせいじゃない、そのパソコンのせいだ。「いや、動いてないのアンタの会社のスキャンのソフトだけなのよ・・・。常識的に考えて、なんでパソコンメーカーが、俺がインストールしたあんたの会社のソフトが動かない理由を説明できるの? おめーら、ファッキン・ポリアンはいつも人のせいにばかりしやがるな! これはおめーの会社の責任だっちゅーのがわからんか? おぅ?!」

とまでやってるわけ。俺も苦労してるでしょう? www

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