日本人へ 国家と歴史篇 5/6~ブランド品にはご注意を

イタリアの行政当局はなぜか、製品の30%だけでもイタリア国内で作られていれば「イタリア製」と認めているらしい。それで、日本でも知られているブランドのいくつかは、70%を中国で生産した製品を輸入し、残りの30%にあたる部分だけをイタリア国内で作って「メイド・イン・イタリー」と釘打って売り出している。しかもその30%ですらも、イタリアに居る中国人が作っていると暴き出す。低賃金で働くイタリアに住む中国人となれば不法入国者であるのはもはや説明の要も無い事実だが、この番組も片言ながらもイタリア語で答える一人を除く全員の、偽造のパスポートを次々と映していく。そしてこの人々が製造終了後のバッグに貼り付けているブランドの名札が、プラダでありドルチェ&ガッバーナであるのにもカメラは容赦しない。

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番組はこの後で、イタリアに住むイタリア人の下請け職人達への取材に移っていく。イタリアの職人の技能への評価はすこぶる高いが、高級ブランドもデザインと材料をすべて提供した上で、製造はこの人々に委託するのが一般的だ。おかかえのお針子たちに作らせていたのは昔の話で、オートクチュールよりもプレタポルテ・クラスの品に主力が移った今では、優秀な下請け職人を確保できるか否かが最高級ブランドの死命を制するほどになっている。だがやはり彼らの工賃は不法入国者であろうとなかろうと、イタリアに住む中国人には太刀打ちできない。中国人を使った場合の一個あたりの工賃が30ユーロであったのに対し、イタリアの職人となると、安いものでもその3倍、並の品でも5倍はもらわないと、きちんとした仕事はできないと言っていた。となればプラダやドルチェ&ガッバーナの製品、画面に映っていたのは布地のバッグだったのでそれと同じものの価格は、他のブランドの品の少なくとも1/3でなければならないではないか。私もこの番組のレポーター女史と同じように、中国人が製造しているからダメ、と言っているのではない。


もしもイタリアに来て買う機会があるとすれば、日本に店に開くほどの資金力は無い、中か小のイタリアのブランド品を買うのも一方である。工賃の安い中国でも東欧でも少ない数では発注を受け付けないので、やむをえず中小のブランドはイタリア国内で、イタリアの職人達に作らせるからだ。イタリアに居る中国人も母国の人々と同じ商売をするらしく、少量では受け付けないのだそうである。とは言っても、モードは気分を愉しむものである。プラダやドルチェ&ガッバーナの品は、ジョルジョ・アルマーニやタニーノ・クリッシの名札のついた品よりは断じて安く流行に敏感だから若者向きで、造りも雑だから壊れやすい。つまり今向きなのだ。反対に最高級ブランドの品は良くできているから、長持ちしてしまうという欠点がある。要するに嗜好の問題だから、中国で作ろうと中国人の不法入国者が作っていようと、二義的な問題でしかない。ただし、事情を知っていて買うのと知らないで買うのとでは、ちがいはやはりあるのではないかと思う。

> バカ女は読んだほうがいいな。きっとこう言うね。「じゃあプラダとドルガバは買わない」www

日本の映画がカンヌ映画祭の審査員特別賞を受賞したというニュースだが、けっこうな話である。だが、あのような作品ならばどの外国の映画祭にもっていっても高く評価されるかと言うと、まったくそうではない。あの映画は「カンヌ好み」なのだ。自意識過剰としても良いくらいに内向的で、いかにもフランス的に反米で半グローバルで、そして純文学的。これが「カンヌ好み」なのです。それが同じく映画祭でも、ベルリンとなるとちがってくる。今最も混沌として画期のあるヨーロッパの都市だけに、一見ハチャメチャな作品でもベルリンだと受け入れてくれる。一方、ヴェネツィア映画祭となると傾向も変わる。許容ギリギリにしてもミーハー的な作品に、イタリア人は深遠なテーマを見出すのが好きだから。もちろん、ハリウッド好みというのも厳とあって、ハリウッド人種の泣き所をつくのに成功すれば、受賞は約束された茂同然だ。良質の作品ならば世界のどこでも誰にでも認められ、座っていても高い評価を受けるとは思わないほうが良い。映画でも文学でも、作品の質とは別に、その作品をどこにどう「参戦」させるかは重要この上ない課題である。もしも外国で認められたいならば、その知に応じた「傾向と対策」ぐらいは練るべきだろう。文化庁や国際交流基金の持つ資金を有効に使うためにも。

> 2007年 殯の森 河瀬直美 あっ、女性監督、女性に厳しい批判? www


一ヶ月の日本滞在を終えてローマに戻ってきたのだが、冷蔵庫を開けた途端に笑い出してしまった。封を切ってはいないとはいえ賞味期限ならば等の昔に過ぎている、吉兆のびんづめ食品が並んでいたからだ。日本での一ヶ月に及ぶ「賞味期限」洗脳を受けた身としては即座に捨てる、と思われるかもしれないが、ローマはニューヨークのように数多くの日本食に恵まれていない。数多くどころか一つも無い。つまり、賞味期限が切れたぐらいでは捨てないのである。それにしても「賞味期限」とは、科学的ないし客観的な基準に基づいているのだろうか。早めに売りさばきたい想いで相当にサバを読んで設定した賞味期限に、製造主が裏切られたのが騒動の因、というのが我が妹の言なのだが。いずれにしても、非難の大合唱に和するだけでなく、賞味期限なるものをもう一度冷静に見直してみたらどうかと、日本の新聞もテレビも届かないローマで考えている。

> 海外生活が長い女性は、こうやって強くなっていくんですね。「賞味期限?気にしてられるかっ!手に入らんのだぞ!」

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