デリバティブ 一覧

とある先輩と談義の中で。先輩は現在、株式の運用だけで暮らしている無職(失礼)だが、もともと金融業界というわけではないアマチュアの個人投資家である。アマチュアというのは理解が無い、取引が下手という意味ではなく、プロ=他人の金を動かす、アマ=自分の金を動かす、の区分である。原則、日本株ロングオンリーの健全な個人投資家で、成功なさっている方である。

そんな「株式メガネをかけた先輩」には、オプション取引はどのように見えているのであろうか? それは彼が繰り出したいくつかの質問に集約されている。

Q1.「割安な銘柄の判断は?」
Q2.「ボラティリティの高安の相場観とかあるの?」

そして極め付けが、

Q3.「オプションの期待値は株より高いと思ってるの?

だ。

A1.銘柄って…。確かにあるのですが、オプションの銘柄というのはアンダーライング×期間×行使価格×(Put/Call)、という機械的な存在です。だからS&P500の DEC18 1,800のPutとS&P500のDEC 18 1850のPutという差異はあるけども、株に比べれば没個性的です。でもDEC18のPutとMAR16 2000 Callだとかなり性質が異なるような気がするが…、なかなか説明難しいですね。

株式投資とオプション取引は次元が2つ違います。株式の場合は、売りと買いという0次元的投資判断になりますが、オプションの場合は、株価と時間という平面上に損益曲面を描くので2次元的相場観になるわけです。オプションの銘柄の一つ一つは、平面上に損益曲面を描くためのインストルメントの一つにすぎません。

A2.株式はゆっくり上がって、急に下がるという性質があります。オプション価格は、現値を中心として、その距離で値段が決まるわけですが、同じ距離なら、上昇を期待するCallよりもPutが高いというのが普通です。それが同じ値段なら、Putに割安感、あるいはCallに割高感があるわけですが、そういうプライシングはされません。

A3.株の期待値の規定は難しいが、オプションを含むデリバティブの期待値は、アンダーライングや取引戦略、計算方法によって異なると思うが、99%~99.999%程度と思ってよいだろう。コストをいくらかけるかということよりも重大なことは、オプションの期待値はコストの分だけ、マイナスであるというのが私の答えだ。彼は以前に、

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最近、日本市場では日経レバ2のETFが売買代金トップとなっているようだ。市場としての品位と参加者の質がうかがいしれる状態だが、フォローするならば、デリバティブと株の損益通算ができないという税制も、日経レバ2の流動性を後押しする要因となっているだろう。

規模が大きすぎて、1570の先物売買が市場を左右することもあるらしいが、今回はその話ではなく、

1570のフォワードそのものがいくらで取引されるべきか? という哲学的w な問題に切り込もう

「フハハ。フォワードなのにガンマありそうだな。面白い話題だとは思うが、これを論じたところで理解できるヤツがおらんだろう」 という私に対して
「10人くらいは居るんじゃないですかねぇ? 正解は無いと思うのですが、1570アンダーライングのデリバティブをブックしてみれば、どう管理するかは必ず対処はしなければならない問題です。この話題の供給者はゼロなので、たとえ10人しか理解できる人がいないとしても、需給のバランスは良いはずです」

と説得されたのでw 一筆書いてみることにしよう。

1570アンダーライングのデリバティブを1570アンダーライングとして認識する、すなわち1570でヘッジする場合は、

分配金のみをキャリーコストとして差し引いてフォワードを計算することになろう。ただ、1570は中身が先物で配当が無いので、分配金も存在しないようだ。

しかし、ポジションが大きい場合、これではあまりに不本意すぎる…というのがトレーダー諸君らの悩みどころだろう。

1570アンダーライングのデリバティブを日経225アンダーライングとして認識する、すなわち先物でヘッジする場合について考えていこう。

日経225のキャッシュプライスSに対して、まず考えると

ドリフト項:リスクフリー×2-配当率×2-信託報酬
拡散項:2σ

信託報酬も引いてよいと思う。だが、問題は、既に当ブログでも取り上げている日経レバ2が本質的に持つガンマロング性の評価をドリフト項にどう加えるかである。

2014.04.25 素人がハマっている必負法 1/3 ~日経レバ2の行く末

日経225のボラティリティ、ここではインプライドボラティリティの解釈で良く、それをσとする。運用会社はデイリーでリバランスするので、 簡単なケースとして、ある日+1σ、次の日-1σ動いたときの、引け値で取引したと近似してポジションと損益を実際に計算してみよう。

株価	ポジション
1	2 
1+σ	2+2σ 
1	2

1日目の損益は {(1+σ)-1} × 2 = 2σ
2日目の損益は {1-(1+σ)}×(2+2σ)= -2σ-2σ^2 2日間の損益は-2σ^2となるので、1日あたりの損益は-σ^2となる。

では、連騰相場

株価	ポジション
1		2
(1+σ) 	2+2σ
(1+σ)(1+σ)	

2日目の損益 {(1+2σ+σ^2)-(1+σ)}×(2+2σ)=(σ+σ^2)×(2+2σ)=2σ+2σ^2+2σ^2+2σ^3=2(σ+2σ^2+σ^3)
次、続落

株価	ポジション
1		2
(1-σ) 	2-2σ
(1-σ)(1-σ)

2日目の損益 {(1-2σ+σ^2)-(1-σ)}×(2-2σ)=(-σ+σ^2)×(2-2σ)=-2σ+2σ^2+2σ^2-2σ^3=-2(σ-2σ^2+σ^3)

連騰と続落の場合の2日分の損益を足せば、8σ^2、一日当たり+4σ^2となり、連騰や続落相場では有利に働く効果がある。

これをn日分、50%-50%でやるのかリスク中立確率でやるのかは諸君らに任せるが、これだけ引けばいいんじゃないの?

連騰相場では1570の持つガンマロング性が、S^2のPower Forwardのごとくに効いてくるので、デルタヘッジをしているトレーダーを悩ませているポイントは、Forward値よりも、このデルタエクスポージャーのブレにあることだろう。書きながら思ったのだが、その観点ではS^2のデリバティブとして処理するのが一番楽かもしれないな。

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株の自主運用認めず、GPIF巡り社保審、政府・与党で最終判断へ。

2016/02/09 日本経済新聞

 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に株式の自主運用を解禁するかを巡り、厚生労働省の社会保障審議会は8日、認めないことでほぼ意見が一致した。GPIFが直接株式を持つと、国家の企業支配につながるとの懸念が強かった。審議会の意見を踏まえ、政府・与党が今国会に提出予定の公的年金改革の関連法案に盛りこむか最終判断する。
 審議会で了承した論点整理では、(1)自主運用の全面解禁(2)部分解禁(3)見送り――の3案を併記した。このうち、日経平均株価など指数に連動した運用成績を目指す「パッシブ運用」に限って、議決権を外部に委託して、部分的に自主運用を認めるべきだとの意見が複数の委員からあったが、「一部の意見」にとどめた。
 自主運用は見送り、「早急に手当てが必要なデリバティブ(金融派生商品)の規制緩和」などに限るという意見が多かったとした。
 自主運用の解禁は経団連や連合出身の委員を中心に反対意見が強かった。GPIFが直接株式を保有して、株主総会で議決権行使をするようになると、企業経営への影響力を強めることができるという懸念があるためだ。8日の審議会でも「企業支配や市場をゆがめる懸念を払拭できない」との声があった。

はぁ…、がっかりしちゃうねぇ。株主との対話? スチュワードシップコード? コーポレートガバナンス? 形骸化した社外取締役? やる気ねぇじゃん。就職協定・定年延長・ベースアップwwwなどなど、経団連は、ろくなことを言わねぇな。健全な資本市場の形成を阻む、ガンコおじいちゃんの集まりとしか思えない。

しかし、デリバティブ解禁にはおじいちゃんたちも理解を示しているようなので、さらに俺も経団連の意見に援護射撃してやろう。日経新聞紙上で議論しているのは、為替の”先物”のことのようであるのだが、株式のデリバティブである先物・先渡にも議決権がないから、株の代わりにGPIFが先物・先渡で持ってくれれば、エコノミーは大きく変わらず、議決権は発生しない。経団連が大好きな物言わぬ株主の出来上がりだ。株主じゃねぇな、巨額なデリバティブ年金ファンドw

100兆を超える金額だと、先物のロールコストもバカにならないから、株の代わりにデリバティブで株式エクスポージャーというのは極論で現実味がないが、アロケーション比率を保つための日々の売買に先物を使うのならば、取引コストは下がるかもしれない。債券にしても株にしても、現物でやるより、先物で調整すれば、手間もスプレッドも狭いだろう。

また、アロケーション比率を固定して、日々、リバランスをする場合、ボラティリティを味方にできる。下がったアセットクラスを買い、上がったものを売るので、規模が大きくても楽な方向の取引だ。あたかもガンマロング的ポジションで、言って来いの相場展開では、Buy&Holdは不変だが、アロケーション比率固定戦略は、動きの分だけプラスとなる。一方で、売買代金がついにトップとなった日経レバ2などのリバランスは、下がったら売り、上がったら買わなければならないので、規模が大きくなればなるほど、厳しい取引(ガンマショート)となる。

2014.02.25 株のBuy&Hold戦略が持つGamma Long性
2014.04.25 素人がハマっている必負法 1/3 ~日経レバ2の行く末


株自主運用、解禁せず、公的年金巡り政府・与党。

2016/02/11 日本経済新聞

 政府・与党は10日、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株式自主運用を認めない方針を固めた。株価の急落で慎重な意見が強まった。今国会に提出予定の公的年金改革の関連法案には盛り込まない方針だ。
 現在の法律ではGPIFが株式を直接持てないルールになっている。厚生労働省の社会保障審議会は2015年12月から機動的な運用や手数料の削減を目的に自主運用の解禁を検討してきたが、経団連や連合が「政府機関であるGPIFの株式保有は企業支配につながる」と反対し、結論が出ていなかった。
 政府・与党内では日経平均株価などの指数に連動した運用成績を目指す「パッシブ運用」だけ認めるべきだとの意見もあったが、「株価が大幅に下がるなかで実施する必要があるのか」との意見が強まっており、見送る方向になった。
 厚労省が3月上旬に提出を目指す公的年金改革の関連法案には、GPIFのガバナンス強化とデリバティブ(金融派生商品)の規制緩和などを盛り込む。
 理事長に権限が集中する体制を改め、労使の代表らで構成する経営委員会を設置。円高などによる損失を抑える目的に限ったデリバティブを使えるようにする。

デリバティブ解禁と言っても、議論の中心は、株の話ではなく、為替の話なんだよね。ごめんごめん。しかし、為替の上場先物というのはどういうことなんだろう? CMEのFX Futureでも使うつもりなのだろうか? たぶん、ちょっと株が下がって、円高になって、損した時だけ怒る金主に対して、場当たり的な対応をしただけなのだろうが、あえて、また援護射撃をしよう。

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当座預金に対するマイナス金利導入以降、国債金利も激しく下がったが、ベーシススワップもさらに拡張し、円がダブつき、JPY LIBOR -100ベーシスまで到達している。GPIFの為替のヘッジは方向的に、ドル売り円買いなので、先物でも先渡でもオプションでもスワップでも-100ベーシスがFavorに働く。GPIFは、このベーシススワップも取りに行く方向で、どん欲にデリバティブ解禁を働きかけ…。うん、まぁ、上場ものじゃなくて、店頭でいくらでもできるので、やっぱ言い訳か。

アロケーション比率一定というのは、日経レバ2に比べれば、はるかに素晴らしい運用戦略なんだけど、損したら、やっぱりみんな怒るんだな。上がったら売り、下がったら買うというトレーディングになる点や、ベーシスの実現で為替ヘッジと考えれば、もう少しGPIFに対して寛容になれないものなのかねぇ?

【G7 金利・国債系】
2015.12.21 坂の上の雲四 12~金策
2015.09.29 アメリカ覇権という信仰
2015.07.15 家計の金融資産残高が1700兆円を突破
2015.03.16 仮想通貨革命 ビットコインは始まりにすぎない 7/7~貨幣の非国有化
2014.07.28 続・オプション・トレーディングにおける個人投資家とプロの違い、グリーク(リスク指標)の見方
2014.03.26 人民元売却計画ステージ2 10/16~ユーロマネー、オフショア人民元
2013.08.13 オプションなんて勉強するものじゃないです。まずは債券いっときまひょ
2013.01.29 金融政策の話 2/2 ~預金と規制
2012.07.04|ウォールストリートの歴史 5/8 ~第一次世界大戦
2012.02.27|告白 元大和銀行NY支店2/2 ~トレーディング
2011.10.31: 日本国債CDSが急落
2011.10.03: 日本国債5年CDS 1.3% vs 日本国債5年モノ0.35%
2011.09.09: スイスフランの介入劇
2011.07.07: モルガンS、米インフレ期待めぐるトレーディングで損失
2011.04.18: 米国債券投資戦略のすべて3/3 ~パススルー証券
2010.02.04: 日本最大の投信「グロソブ」4兆円割れ
2009.12.01: 金利系投資からの撤退 
2009.08.05: 金利をSalesに教える
2009.06.17: 暗算でやる金利計算@街頭インタビュー
2009.01.15: 株投資家から見たインフレ連動債TIPS
2008.12.25: さようならUS Strips
2007.12.17: 債券市場参加者の世界観 ~ 儲け=売値ー買値では無い  
2007.12.12: 債券税制 ~これを知った上で買えるか?毎月分配

新聞記者がGPIFの真意を理解できているのか?というのは極めて疑問ではあるが、新聞経由の情報で、将来のGPIFのデリバティブ運用を想像してみよう。GPIFが記者に対して、行間を読むという難解な言い方をせず、包み隠さず方針を述べたとしても、記者が理解できたレベルで曲解されたものが記事になるという性質上、ソースが揺らいでいるゆえに私の想像も揺らぐことになるのだが、その変化を記事とともに追っていくことにしよう。

毎日、「GPIFのデリバティブ解禁」の記事が載っているので、順に追っていこう。

GPIF、損失回避に規制の壁(風速計)

2016/02/08 日本経済新聞

 「じくじたる思いだ」。公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の水野弘道・最高投資責任者は1月28日の社会保障審議会で漏らした。GPIFは2015年7~9月期に7・9兆円の損失を出した。運用成績は市場平均とほぼ同じだが、価格変動リスクを避けるデリバティブ(金融派生商品)が使えれば、損失を少なくできたという思いが強い。
 今のGPIFは円高で運用資産に損失が出ないように為替ヘッジ(差損回避)をしようとしても、市場参加者の多い市場デリバティブが使えない規制の「壁」がある。店頭デリバティブは使えるものの、相対取引なのでGPIFの投資行動が市場に伝わりやすく、為替相場に影響を及ぼす可能性がある。
 社保審ではGPIFのガバナンス強化と運用規制の緩和を議論し、デリバティブの活用拡大も検討されている。ガバナンスは合議制の導入で大筋合意したものの、運用規制は年初からの相場の変調もあり、慎重な意見が複数の委員から出ている状況だ。
 調整が難航しているのは、GPIFの株式自主運用の解禁などハードルの高い施策があるため。ただリスクにおびえるあまりに、損失を回避するための方策も導入できなくなるようなら、皮肉と言わざるを得ない。(O)

> 市場参加者の多い市場デリバティブが使えない規制の「壁」がある。店頭デリバティブは使える

市場デリバティブってなんだよ、上場デリバティブだろ? Listedを市場って訳すか? と思っていたら、厚生省の説明で、
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000111870.pdf

5ページ目に、市場デリバティブ(上場デリバティブ)という表現がある。取引所だけが市場(=Market)ではないので、上場と表現するようにして欲しいものだ。口うるさい頑固おやじはまた嫌なものを発見w

厚生省同じ5ページに

為替先物取引(※1)
※1 市場デリバティブ取引を除く

コラァー!
日経新聞は先物と先渡の区別もついてないのか! 銀行の説明のせい? とか思っていたのだが、「厚生省、お前もか」

2009.03.26 中国人民元先物?

LeniWithAdolf_c.jpg

日本の役所のウェブ(いつも見ているのは日銀や財務省だが)って、しっかりしててレベル高いなぁ…、と思っていたのだが、ここだけはいただけないな。英語で言ったらFutureとForwardでね、Forwardに対する先渡って日本語までちゃんとあるの。物書きなら、そのくらいの表現の多彩さは持っていなさい。

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オプションの損益とリスク認識の主観性について、前回述べたので、今回はもう少し具体的な取引、取引戦略にまで踏み込んで行こうと思う。

ではまず、結果から。
DDvsSP500-2015.jpg

オプション戦略であるDancing Dragon(以降DD)はオレンジ、S&P500が水色だが、DDはS&P500のオプション取引を開始した2013年9月の開始時を10,000として、資金の出し入れを控除したパフォーマンスベースで指数化した左軸、S&P500は単純な現値を右軸に取っている。

年初を100と基準化して比較しても良いのだが、S&P500の絶対水準、DDの2014年からの継続性を重視して、縮尺が多少違う軸を使用しつつの比較である。DDは10500~12500だから19%の範囲、S&P500は16%の範囲なので、実際のボラティリティはグラフ上の見かけよりDDが高い。

でも縮尺がどうあれ、DDはプラスで終わり、S&P500はマイナスなので、1年を通してじりじりと逆転している様がわかるであろう

このグラフで私が言っているまま、すなわち、デルタロング、ガンマショート、ベガロングのポジションを保持していることがわかった諸君は、うん、プロだなw

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オプションのリターンやリスクの定義は難しく、多かれ少なかれ、主観的要素が入らざるを得ない。2015年の成績を振り返っていて、オプションが入ると注釈をつけたほうが適切なのだが、その注釈が長すぎて、全体の説明の要旨がぼやけてしまいそうだったので、別途、本日、説明することにする。

リターンから説明しろ、という気持ちは分かるのだが、まずはリスク認識からw

1.リスクアセット比率

私の場合は金融資産のみなので、総資産のうち、どれだけ株に投資しているのか? というリスク認識について。

現金と株だけなら、その時価で比率を計算すれば十分であろう。しかし、先物やオプションなどのデリバティブが入ると、時価とリスクが乖離する。もっとも分かりやすい日経平均先物でいえば、先物を20,000で1枚買って、今現値が、20,000なら先物の時価は0になる。しかし、当然ながらリスクエクスポージャーは、2000万円相当の日経平均を保有しているのと等価だ。

と言える分だけ、先物はまだ単純だ。オプションの極端な例として、明日満期のATM Callを1枚ロングしていた場合、時価が40円で、デルタが半分として、1000万円相当の日経平均を保有しているとして良いだろうか?

もちろん、金融機関のリスク・エクスポージャーとしては、機械的に(客観的に)、1000万円相当のデルタアマウントを計上するのが適切であるが、個人として、明日満期のATM Callを1枚をNakedで保有していて、株を1000万円分、保有しているのと等価と言うことは、果たして自然だろうか? 仮に明日、日経平均が5%下がれば、1000万円分保有しているのなら、50万円の損失になるのだが、このオプションでは4万円しか損しないということがわかっていて保有しているのにだ。

1億円の金融資産を所有しているが、そのすべてが40円のオプションで、2500枚保有するというポジションもありうる。その場合、数値的には250億円の株式エクスポージャーを保有している、と個人として発言するのはまともな発言か? ただ、これは個人としての「つぶやき」を越えて、デリバティブの会計基準に対する疑問符でもあるのだぞ。

実際に私が満期まで後1日のオプションをロングなりショートなりのいずれの形でも保有していることは無いのだが、私がメインとしているスプレッド取引のデルタに対するガンマの比率は、ショートタームのNakedよりも大きくなることは当たり前に存在する。

だから、私はあえて、リスクアセット比率、私の場合は株比率だが、オプションはいかにデルタを取っていようが、株だけの時価評価の比率で計算している。私のリスクアセット比率を40%しか取っていないのに、上昇相場についていけるのは、ここに「嘘」、というか表現しきれていない真実があるからだ。オプションのポジションで発生している年間の平均のデルタエクスポージャーを足せば、株式の比率は60%~80%はあるだろう。そうでなければ、この長年にわたる上昇相場についていけるはずもない。


2.リターンの定義

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S&P500のListed Optionの取引を始めて、約2年が経った。取引戦略については既に何度か言及しているので、そちらを参考にしていただいて、

2015.01.22 一族アセットマネジメント採用試験ヒント1/3~手法のまとめ


今回は、あんまり派手さはない分析をしてみよう。ちょっと面白くないかも。

まず、基本となる数値は
Net Liquidating Value=現金+オプション時価
を基準としよう。口座に1,000,000入れて、250ドルのプットを1枚売ると、1,000,000+250×100=1,025,000の現金となり、オプション時価に変動がなければ1,025,000+(250×100×-1)=1,000,000と、売買するだけではNet Liquidating Valueは変動しない。正確には手数料を考慮しなければならないので、手数料分だけわずかに減る。

現金=全キャッシュフロー(CF)=売りCF-買いCF-手数料

ネットしてしまうと小さいが、グロスのターンオーバーは200%超えてるのね・・・。わずかに売り越しと。手数料は・・・、まぁ、小さいですね。

SP500-Transaction.jpg

取引の回数も計算してみました。一部出来で一つの注文が値段変わらずタイミングだけ分かれた場合は1とカウント、一部出来で値段を変えて約定した場合は、別のオーダーとしてカウント。だいたい年間100回、1ヶ月8回くらいのペースで取引しているようです。でも実際は売りと買いを組み合わせたコンビネーションで取引することが多いので、半分の週に1回くらい取引しているイメージです。

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これは私自身の運用の結果なので、その実態もよく知っているのだが、細かいところまでは覚えていない。単純にグラフだけ見て、「あたかも他人の運用に対してかなり意地悪な視点でケチをつける」ノリで解説した方が面白いだろう。今日は二重人格、自己批判的に書いてみました。(筆者が二人いるわけではないぞw)

問題はこちら。
2015.01.16 一族アセットマネジメントの公開採用試験・問題

20150113DancingDragonAnaly.jpg

デルタがロングかショートか以前の問題で、右軸と左軸の非対称性、Dancing Dragonの基軸となっている左軸は23%程度の幅(9750~12000)に対して、右軸は27%(1650~2100)としている時点で、いかにも自分は上昇相場に追従しているパフォーマンスであると言おうとしている作為を"23:27"の比率で感じる

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暴落対策であるダンシングドラゴンはただの戦略名であり、その収益は、私のトレーディングによって左右される。何度も言及しているように、私のオプション取引は、マーケットメイクやアービトラージ、もとい割高なIV(って何だ?とも思うのだがw)を売るという類"アービトラージ性"すらも全く無い<完全なるスペキュレーションである。

span class="ichizoku_blue">スペキュレーションの収益源泉は、時価評価とレバレッジによって引き起こされるセリング・クライマックスであるとも述べた。でも一方で単純なショートで、暴落を待つという戦略は、踏まれに踏まれ、実戦的なポジションとは言えない。ダンシングドラゴンだろうが、カレンダー・スプレッドだろうが、レシオ・スプレッドだろうが、ネイキッドであろうが、どういうタイミングで入って、出るのかで大きく結果が異なる。例えば、08年リーマンショック、CDSで大儲けをしたジョン・ポールソンだが、同様のポジションを取っていたジェフリー・グリーンやマイケル・バリーが苦しんでいる様子が書かれている。

2011.03.17 史上最大のボロ儲け ~儲け損ねた男達の遍歴 2/6
2011.04.04 史上最大のボロ儲け ~タイミングの違い 4/6

暴落が起こるまでには、長い年月を必要とする。よって暴落対策は長い上昇相場に耐えなければならない。2007年からのS&P500の推移を振り返ってみよう。

SP500yearly-Return.jpg

下げた年は2011年のみ、2011年にしてもほぼ変わらずなので、年足で見れば09年3月の最安値666.79から単純に上げ続けたと言ってよいだろう。もう少し細かく月足で高値安値も合わせ

最大下落率=ピーク後安値÷ピーク時株価-1
P(t)=Min S(T>t) ÷ Max S(0~t)-1

を計算すると、15%以上の下落はわずかに2回しかなく、

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博打は人間性(癖)があらわれるとよく言うが、トレーディングも全く同じである。

2013.04.04 投資・投機・ギャンブルの違いを述べよ

より

投資とは、リスク・プレミアムを受ける行為、ギャンブルとは、リスク・プレミアムを払う行為。 投資とは、資産価格で認識する取引態度、投機とは、損益だけで認識する取引態度。

を念頭に置くと、トレーディングは投機であり、トレーディング(投機)と投資は若干違い、ギャンブルに近い。トレーディングの癖、タイミングによって結果が大きく異なるのは、Buy&Holdの"投資"とまったく違う点であろう。私の株取引は、Buy&Holdが原則だが、相場観でエクイティ比率(株比率)を変動させるので、純粋なBuy&Holdに比べるとトレーディング(投機)性を持った投資なのである。

2014.02.25 株のBuy&Hold戦略が持つGamma Long性

で詳しく述べているが、「相場観でエクイティ比率(株比率)を変動させる」と言ってもそれほど高級なものではなく、株の水準が下がったら株比率を上げ、水準が上がったら株比率を下げるという超単純なものである。言いかえれば、下がったら株を買い、上がったら株を売るという当たり前のことをしているだけなのである。

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