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銀行の預金金利や住宅ローン金利が下がることで、国民生活にも影響が・・・、という論調ばかりなのだが、日銀の当座預金金利よりも、国民の生活に影響するのは、国債の金利がマイナス状態で維持されることが、見えない税になりうるという解釈が全くないことに違和感を覚える。

などと原稿を書いていたら、2月25日付のブルームバーグでようやく、その論調のニュースを発見した。

借金王の日本政府にマイナス金利の恩恵、入札で超過収入520億円
2016/02/25
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O31MJ56K50Y001.html


新聞はもっとひどいか。なんでもかんでも「マイナス金利」のせい。初の「金利がマイナスの世界」とも書かれているが、短期の国債は随分前(日銀の量的緩和以降)からずっとマイナスで維持されていた。ってことは知ってる? って次元が多いか。それにしても10年国債金利の下落っぷりは激しく、驚いたわ。

すごいなぁ・・・。10年国債金利のチャートでも良いかもしれないけど・・・。
http://www.bloomberg.co.jp/markets/rates.html

Gov-Bond-InterestRate-Chart_c.jpg

利払費と金利の推移
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/005.htm

金利と同じことだが利払費の推移がすごいと思うんだが・・・。このまま下がり続けると・・・、国債金利はマイナスになり(ってすでになっているのだが)、10年後くらいには、利払費が受けになり、歳入の部に計上されることになるぞ。このグラフも金利をマイナスまで用意していないようだし、その頃にはこの情報も見れなくなっちゃうのかな…。

「国の借金は次世代への負担」という論調は今後は止めて、「国債債務残高は将来の税収源」にすれば良いんじゃないかな。この超楽観視してよい日本の国家財政を、

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もともと明治人は新聞記者や世論に対する認識が貧困で、日本人記者なども軍夫のような扱いを受けた。げんに日本人記者の服装は軍夫まがいの者が多く、ときにはシマの着物を着、尻っ端しょりしてモモヒキをはき、洋傘を杖がわりについて戦地にやってきている者もあった。参謀たちは、この内外の記者団と接触することをうるさがり、ともすればハエのように追っ払ったりした。このことが外人記者団の憤慨を買い、怒って本国に引き上げる者が続出し、自然、ロシア側の従軍記者の記事が世界中に流されることになった。この点、クロパトキンは巧妙であった。かれは遼陽決戦の終了早々、どさくさのなかで記者会見を行い、「我々は予定の退却を行っているのみである。その証拠に砲はわずか二門を遺棄したに過ぎない」と、詳しく公表した。日本軍の総司令部も同じく記者会見をしたが、数行の文章を読み上げただけであった。自然、世界じゅうをかけまわったニュースは日本軍非勝利説であり、このためロンドンにおける日本公債の応募は激減し、日本の戦時財政に手痛い衝撃を与えることになった

遼陽開戦での時点で、世界に映じた日本像は、決して勝利者の像としては映らなかった。それがロンドンにおける公債応募の激減につながったとき、日本帝国の元老たちははじめて飛び上がるほどに驚いた。日本にはカネがない。日露戦争が始まる直前に日本銀行が持っていた正貨(金貨)はわずか1億1700万円にすぎず、これでは戦争できない。この手持ちの金の7、8倍は公債のかたちで外国から借りなければならなかった。その公債募集について、日銀副総裁の高橋是清がロンドンで苦労していた。そこへ遼陽の「敗報」であった。これによってひとびとは日本の敗戦を見越し、いっせいに公債を売るか、手を引くかした。

金がなかった。戦場へ送るべき砲弾も、それを一手に製造するはずだった大阪の砲兵工廟の製造能力をはるかにしのいで消費が上回り、慌てて外国から買わねばならなかった。たとえば遼陽会戦が終わったとき、もう次の作戦のための砲弾がなく、9月15日、陸軍省では世界中の兵器会社に砲弾を注文した。会社名はアームストロング、カイノックス、キングスノルトン、ノーベルなどである。それらに当然ながら金を払わねばならない。その金の調達に、日銀副総裁の高橋是清が、秘書役の深井英五をつれてヨーロッパをかけまわっていた。ひややかに観察すれば、これほど滑稽な忙しさで戦争をした国は古来なかったに違いない。高橋が最初、この使命のために横浜を出帆したのは、この年の2月24日である。ロシアに宣戦してから半月後であった。このとき、彼の壮行会が横浜正金銀行でひらかれた。このとき維新以来日本の財政を担当してきた元老の井上馨が立ち上がってスピーチを試みたが、その時、「もし外債募集がうまくゆかず、戦費が整わなければ、日本はどうなるか。高橋がそれを仕遂げてくれねば、日本はつぶれる」

高橋は最初、ニューヨークへ行った。ここで2,3の銀行家に接触したが「とても」というのが、かれらの意向であった。アメリカはこの時期、英仏その他からさかんに外資を導入して国内産業を開発中であり、そのため他国に貸すような金がとてもなかった。この当時、フランスは大きな金融能力をもつ国であったが、しかし仏露条約の手前をもあってロシアには金を貸していた。高橋はイギリスに行った。イギリスとの間には日英同盟があるものの、英国が日本に戦費を貸与するというような性質の同盟ではない。高橋は、ロンドンにおけるあらゆる主要銀行や大資本家を歴訪した。が、結果は絶望的だった。

高橋是清がヨーロッパで実見したところ、ロシアの信用は開戦後いささかもゆるがないばかりか、パリやロンドンにおけるロシア公債の市価は、むしろ上がり気味であった。日本のそれはよくない。開戦前、日本の4分利付英価公債は80ポンド以上であったが、開戦後暴落して60ポンドまで下がっていた。「この不人気の中で、あらたに公債を発行しても、英国人大衆は応ずるかどうか」と思うと高橋の気持ちは暗かった。「ロシアなら、金は貸せる」 というのが銀行筋の常識であった。ロシアに広大な土地があり、鉱山がある。それを担保に取れば万一のことがあっても貸主に損はない。が、日本には担保にできるような土地も鉱山もなかった。

(クーポン + 償還差益÷年限) ÷ 単価 = 利回り
であるのだが、司馬遼太郎も年限まで書いておいてくれるとよかったのに…
5年債だと、(4+20÷5)÷0.8=10% -> (4+40÷5)÷0.6=20%
10年債だと、(4+20÷10)÷0.8=7.5% -> (4+40÷10)÷0.6=13.3%

1904年だろ? 戦争下のインフレ懸念や、国債の長年限化前ということで、5年債と推測しようか…と思っていたら…

http://www.nri.com/jp/opinion/chitekishisan/2005/pdf/cs20050402.pdf

によると、

55年債だったらしいw
55年債だと、(4+20÷55)÷0.8=5.45% -> (4+40÷55)÷0.6=7.88%
ぎょー、想定以上にまともな動きじゃん。80円から60円の下落の状況下でというと、なんだが基地外沙汰に聞こえるけど、5.45%から7.88%の下落の状況下だったんですね。いいですよね、キャピタルゲイン狙いの債券投資。懐かしい・・・。

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良いじゃん、めちゃくちゃ増えてるし。日本の民のみなさ~ん! 儲かってますか? 株じゃないですよ。給与を預金して預金総額が増えてても良いし、厚生年金として天引きされた分も年金資産なので、金融資産大きくなってるじゃないですか。お金持ちなんだから、みんな下向いちゃだめだよ~♪株を持ってて儲けている人が周りに居るかもしれないけど、そんなの気にする必要ないよ。給料もらって預金して増えているなら、株なんかに投資する必要は全くないと思うよ。

じゃあ、なんで俺は株やデリバティブに金を突っ込んでるのかって? 給料がゼロだからだ! 誰か俺に金をくれ。(コンプライアンス上ミニマム1億円からですw

家計資産の黒字、15年ぶり高水準、昨年度25兆円。

日銀が29日発表した1~3月期の資金循環統計で、3月末の家計の金融資産残高が初めて1700兆円を突破した。投資信託の保有が増えたうえ、株高で評価額が高まったためだ。現預金の残高も増えており、2014年度1年間の家計の資産と負債の差額からはじき出した黒字額ともいえる資金余剰は、15年ぶりの高い水準となった。リスク投資を増やす一方、消費活動などに慎重な姿勢もうかがえる。
 3月末の家計の金融資産残高は1708兆円で、前年同期から85兆円(5%)増えた。このうち53兆円は円安や株高に伴って時価が増加した分だ。内訳をみると株式が20%増の100兆円、投信は22%増の95兆円となった。現預金も2%増の883兆円となり、家計資産の過半数を占めた。
 「資産運用に前向きだが消費には慎重」という家計の姿は、資金余剰から見て取れる。家計は14年度に新たに25兆円の「黒字」となった。前年度比57%増え、1999年度(27兆円)以来の大きさとなった。
 投信や社債の運用が増えたほか、ボーナスの増加や高齢化による年金受け取りの拡大で現預金が増えた。日銀は「所得環境が改善しているのに消費や住宅投資が鈍いため、金融資産が増えている」と分析。現預金の増加は安全志向が残っている証しとみている。
 家計に対し、企業にはお金を使う前向きな姿勢が見え始めた。企業部門を示す民間非金融法人の14年度の資金余剰額は前年度比49%減の10兆円となった。08年度(9兆円)以来の低さだった。
 14年度は事業拡大に向けてコマーシャルペーパー(CP)を発行し、短期資金を調達する動きが拡大し、資金余剰額が縮小した。昨年10月の日銀の追加緩和による金利低下も、リース会社などのCP発行の追い風となった。リーマン・ショック直後に社債やCPの市場が機能不全に陥り、銀行借り入れが増えた08年度とは様相が異なる。
 国と地方を合わせた政府部門は24兆円の資金不足。景気回復に伴う法人税収上振れなどで不足額は前年度比22%減った。

日銀の資金循環統計から家計部門の推移を抜き出してみました。
P-Financial-Asset-Chart.jpg

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日本人は自国通貨が下がると喜ぶという世界でも稀な民族(唯一ではなく、もう一つはスイス)であるが、グローバルに経済がつながっている以上、円安は日本人にとって日本の地位が下がることを意味していることを再認識しておきたい。ちなみに私は円高になると「円高で日本はだめになる」、円安になると「円安で日本はだめになる」と言っている人たちとは異なり、首尾一貫して、円高は円資産の価値を相対的に上げると、超当たり前のことを言っているのだ。例えば

2009.03.12 ゆっくり見ると為替(FX)が通貨(Currency)に見えてくる

の記事でも、2009年、1ドル90円の時代から一貫して述べていることだ。円高のメリットを日本人に言っても通じないか? 円でしかものを見れない、円のみを尺度としてしか価値判断ができない、そんな円を信仰している信奉者には、アジア通貨はどう見えているだろうか?

アジア通貨がFree-Floatではないことは今まで触れてきたが、もう少し簡単な話をしよう。アジア通貨の値動きそのものをご存知かな?

アジア通貨の値動きと言えば、1997年のアジア通貨危機で大暴落した通貨群という印象があろうが、最近1年、3年、5年でどのように動いているか、知っているかね? アジア通貨は値動きが荒く、先進国の金融政策や景気変動に影響を受けやすく、米国の金融緩和停止、利上げを織り込みつつあるマーケット環境で大きく下落している? これがアジア通貨など見たこともないのに、そう思い込んでいる日本人の一般的な感覚ではないだろうか?

では実際に、基軸通貨であるUSDに対して、アジア通貨がどのように動いてきたか見てみよう。ドルに対する1年間のパフォーマンスとDailyで計算したVolatilityである。(Cocos債だトヨタAA種類株式だと緊急アップしたのでちょっと情報が古くて申し訳ない。計算時点は2015年6月15日)

Asia-Ccy-Perf-Vola-1y.png

中国人民銀行による作為的相場形成で自国通貨をドルに固定している中国元が1位だ。HKDはカレンシーボード制で固定しているのでVolatilityは無いに等しい。えーっとぉ…一番下がってる通貨は…何か見えるかね? 一番値動きが荒い通貨はどれかね?

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優先株や新株予約権について、今までもこのブログ上で言及してきたことがあったが、読者の反応が極めて弱いことから軽くツイッターでつぶやくだけで終わらせようと思っていたところ、たった1人の勇気あるツイッターフォロワーがこの私に対して、熱心に質問を繰り返してきたので、その結果をまとめようと思う。ツイッターではその本質的な内容について既に言及したことの繰り返しになるので、ストーカー並みに私のツイッターを追っている読者にとっては何の意味もない記事となろう。ちなみに"ブログ上"で私が言及してきた超重要な「優先株・新株予約権」についての記事は、ブログの右側にある「新株予約権タグ」をクリックすることでその全容を読むことができる。

トヨタAA種類株式は金融機関の発行するTier1証券と異なり、個人投資家向けに販売していることから、一般読者への影響もある。また、ちまたにトヨタが個人投資家相手に有利なファイナンスをしているとか、逆に割高なファイナンスだとか、引受証券の野村証券が不当に儲けているだとか、根拠に乏しい被害妄想が飛び交っているのも聞くに耐えないので、AA種類株のバリュエーションについて真面目にここで言及する。

トヨタAA種類株式とはいかなるものかは、トヨタが自身のWebにて、きちんと公開しているので参照されたし。
http://www.toyota.co.jp/jpn/investors/stock/share_2015/pdf/commonstock_20150616_02.pdf

↑を読みましたか? or 内容は既に知っていますか? Yesの人のみ続きにお進みくださいw まま、続き読んでから確認の意味で後で読むつもりでもOKだよw

私が見たところ、インターネット上の評価では、トヨタAA種類株式についての

0.5%~2.5%に毎年0.5%ずつ上昇するステップアップ配当。
発行価格=行使価格、株式に転換する権利が発生する価格。
5年間の譲渡制限。

の3点が重要視されているようであるが、

suzukimasayuki-chigauchigau.jpg

それらはAA株のバリュエーションの本質とは全く異なる観点である。種類株とはいえAAは株式なので満期が無い。株式に転換する権利と5年後以降発行価格の2.5%の配当もらえる権利が永遠に続く。

AA種類株式ホルダーの権利=株式に転換する権利+2.5%の配当をもらう権利+発行価格で買い取ってもらう権利

の3種混合の権利をホルダーは所有している。しかもその権利に時間的制約はないので永遠、かつ、上記の3つの権利はホルダーの好きなように行使できるので、以下のように最大値をもって書き換えられる。

MAX(無限年コールオプション、2.5%永久債、元本価格プッタブル)=MAX(行使価値、保有価値、買取請求価値)

ではこの3要素をより具体的にバリュエーションしていこう。

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三井住友、2000億円超調達へ、新型債発行、みずほも1000億円。

大手銀行が国際資本規制への対応を加速する。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は7月中に2000億円以上の新型債券を発行する。みずほフィナンシャルグループも同月中の起債を計画する。海外展開する銀行への資本規制の強化をにらんだ動きだ。
 三井住友FGが発行するのは償還期限のない「永久劣後債」という債券。主な買い手は生命保険会社などの国内機関投資家だ。普通株などで算出される自己資本比率が5・125%を下回った際に元本が削減されるが、同比率が上向けば元本も回復するのが特徴だ。金利は2%台になる見通しで7月下旬にも発行する。
 みずほFGも元本回復の条項を付けた永久劣後債を1000億円以上発行する見通しだ。3月に1000億円規模の永久劣後債を発行済みの三菱UFJフィナンシャル・グループと合わせ、3メガバンクがそろって資本増強に踏み切る。
 背景にあるのは「バーゼル3」と呼ばれる銀行の国際資本規制の強化だ。2015年3月期時点では、資本金や優先株など中核的自己資本(Tier1)ベースの自己資本比率は6%必要だったが、19年3月期には8・5%になる。グローバル展開する銀行には一段の上乗せが求められ、三井住友FGは9・5%以上必要になる見通しだ。
 永久劣後債は中核的自己資本に算入され、三井住友FGは今回の発行でTier1比率を0・35%程度押し上げる効果があると見込む。増資と異なり、1株利益も低下しない。15年3月期時点の同比率は12・89%で、今は余裕があるが一段の規制強化もにらんで早めの資本増強に動く。過去の優先出資証券の償還に合わせ今後、中長期で1兆円を超す永久劣後債を発行する計画だ。

Monica-Bellucci03.jpg

さて、いよいよバーゼル3の資本増強が日本の金融機関でも観測されるようになってきたが、三井住友、う~ん、良いですねぇ。日本の銀行の先駆者的な感じが僕は個人的に評価しています。三菱UFJの発行事例を見ると、なんだかよくわからない発動条項でも発行して売れちゃうみたいだから、三井住友もそのノリでやっちゃうとなると、評価が変わるかもしれないが・・・。

おそらく日本の金融機関がこれから発行するTier1証券は、この三井住友型のコピーペーストになるであろうから、まずは、「自己資本比率が5・125%を下回った際に元本が削減される」という(エキゾ語で表現するところの)自己資本比率ノックイン条項は無視した、シンプルな永久債のバリュエーションについておさらいしておこう。

従来型のクーポンc(面倒なので年1回払いw)のn年の債券のキャッシュフローとバリュエーションは

債券価格

で表される。

一方、永久債のキャッシュフローとバリュエーションは

永久債価格 

で示される。(これがわからない人、まぁ居ないと思うがw一般読者は、「無限等比級数の和」でぐぐると、どこにでも書いてあるw)とにかく、永久債価格Pがあれば、その価格からインプライされる無限年クレジットスプレッドrは簡単に求めることができる。

自己資本比率ノックイン条項がどのように入るかまだわからないので書くことはできないが、そのマイナス分を考慮すると、

Tier1証券価格Q=永久債価格P-自己資本比率ノックイン条項K

なので、K=0と想定して得られるTier1証券クレジットスプレッドが3%の場合、K>0であるならば、無限年クレジットスプレッドrは3%以下となる。

Q=P-K=c/r-K

なので無限年クレジットスプレッドrについて解けば

r=c/(Q+K)

例えば、Tier1証券価格Qが100の発行当初、3%のクーポン、自己資本比率ノックイン条項Kのバリュエーションが10だとしたら

無限年クレジットスプレッドr=3/(100+10)=2.73%となる。

過去に欧州で発行されたTier1証券の例を見ても、発行当初から現在に至るまで、自己資本比率ノックイン条項K、すなわち、Tier1証券の資本性部分(特にリスク)については無視して取引されている。つまり、債券部門がTier1証券をクレジット商品として扱うのが実際の事例で、おそらく日本でも、そうなる。

Tier1証券のモデル化はきわめて難しく、保有目的やトレーディングの方法によって、様々な仮定を定め、主観的にバリュエーションせざるを得ないだろう。Tier1証券が価格Qで取引されていて、単に市場価格に合わせて時価評価Qとすると、それを無限年クレジットスプレッドr(上記の事例だと2.73%)+Kで評価するのか、Tier1証券クレジットスプレッドのみ(上記の事例だと3%)で評価するのと、当然ながら価格という意味でのバリュエーションは変わらない。変わるのはリスク管理で、自己資本比率ノックイン条項Kのバリュエーションが無視できないくらい大きくなる時、次回の金融危機懸念が起きた時、その違いが顕在化するだろう。

その時に慌てて、資本性を意識して、対応しようとしても時すでに遅しだ。仮に自己資本比率が低下して、クーポンが停止したとしよう。その場合、キャッシュフローはなくなるわけだから永久債としてのバリュエーションがかなり空虚なものになるのは想像に難くないだろう? その場合、永久債部分Pの価値を0として、自己資本比率ノックイン条項Kのバリュエーションで評価してしかるべきでしょう? これは永久債。つまり次回の金融危機が何年後に起ころうが、100%残存している素晴らしい爆弾だ。俺はそれを楽しみに待っている。

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金融システムとの関係を考えるために、ハイエクの貨幣自由化論を見よう。フリードリッヒ・フォン・ハイエクは1976年に刊行されたDenationalisation of Money『貨幣の非国有化』)において、貨幣発行の自由化を主張した。歴史のかなり古い時点から、通貨発行権は国家が独占してきた。しかしハイエクによればそれには何の合理的な根拠も無い。むしろさまざまの問題をもたらす。その一つは、国債の貨幣化によって放漫財政が生じることだ。彼は言う「現代における政府活動拡大の大部分は、貨幣発行によって財政赤字を賄ったことでもたらされた。これによって雇用が創出されるという口実に基づいて」(p33)。「政府支出の増加は、政府がマネーをコントロールできるようになったために生じた」(p118)。銀行が独自の貨幣を発行するとすれば、各銀行が自ら貨幣の購買力を維持するために発行量を調整するので無秩序な増発はなくなる

各中央銀行が購買力を維持するために金融緩和や金利を調整してるんじゃないの? 野口さんの抜粋だけで本文全体を読んでいないためか私の理解が追いつかず、ハイエクとは意見が合わないなw 各銀行に任せた結果、アメリカのマネーサプライをコントロールするほどのモルガン家が誕生し、モルガンの死後その権利を奪うためにFRBが設立された。アメリカがわかりにくければ、利休が秀吉に斬られた原因の一説を挙げよう。戦国時代、信長などの努力によってか日本経済は著しく発展し、その経済成長が当時日本にあった貨幣を超えてしまったのだろう。当時は金銀両本位制で通貨発行に制限があったため、茶道具が登場し、茶器一つで一国(例えば土佐の国とか今の県)の徴税権=1年分の年貢に相当するような値段をつけた。茶器の取引は経済成長と金本位制からの脱却の産物。そして新・貨幣創造だったとも言えよう。その茶器の価値判定を利休がコントロールするということは、秀吉が通貨発行権を失うということになる

戦争するたびに国境線が変わっちゃうヨーロッパのロスチャイルドが
「私に一国の通貨の発行権と管理権を与えよ。そうすれば、誰が法律を作ろうと、そんなことはどうでも良い。」
と言っているが、これを当時の日本に当てはめると、利休の茶器のバリュエーションが、通貨発行権を秀吉から奪い、事実上、利休が全てを握ることになるから、それが怒らせた原因だと言う。さらに、これを現在の日本に当てはめると、全てを握るのは国で、誰が法律を作ろうがどうでもいいので、立法家たる国会議員も誰でもいいから選挙も意味無いし、資本主義じゃなくなるどころか民主主義でもなくなる。まぁ、もうその道を進んでいるのが現状だと思っているがね。

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送金コストは複雑でしかも場合によって異なるので、手数料リストを見ていてもよくわからないことが多い。この問題に関しては、世界銀行がRemittance Prices Worldwideという報告書を作成している。これは送金国32、受け取り国89の間で送金コストを推計したものだ。200ドル、500ドルを送る場合について計算がなされている。これは小額送金である。つまり、移民が本国へ送金する場合などが問題として意識されているわけだ。200ドルの場合、全世界平均で送金コスト率は2013年4Qに6.13%、14年1Qで5.91%だった。G8の平均は13年4Qに8.2%、14年1Qに7.73%だった。G8の中では日本が最も高い。最近15%を切ったが、これまでは17%程度だった。手段別で見ると、銀行の口座間振込みはかなりコストが高い。日本から韓国や中国に送金する場合のコスト率は実に30%を超える。これは世界で最もコストが高い送金経路であるとされる。

200ドルって送金しようとしたことないからわからないけど、そんなにかかるの?

http://www.mizuhobank.co.jp/direct/about_direct/gaikoku_sokin.html

他行向電信送金5500円+コルレス先支払い手数料2500円=8000円

ガーン・・・。恐怖の30%超は本当だった。ちょっとイライラする項目が2つ。
本支店向電信送信 5000円ってあるんだけど、みずほの海外支店で個人対応してるところあんのかよw
上限200万円(一ヶ月間で)ってことは、手取り2400万円以上のエキスパッツは困っちゃうね。みずほ使うと送金は最低でも8000円÷200万円で0.4%。高すぎw

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エムペサ? ケニアが通貨先進国?

「タクシーの料金を携帯電話で支払うのはニューヨークでは難しいが、ケニアのナイロビでなら簡単だ」 英誌『エコノミスト』は2013年5月の記事で、このように伝えている。ケニアが導入したのは、携帯電話のSMSで送金するエムペサ(M-PESA)と呼ばれるサービスだ。ビットコインとは違う構造のものだが、仮想通貨の将来を考えるに当たって参考になることが多いので、以下にその概要を紹介しよう。このサービスは、ケニアの携帯電話会社サファリコムに出資した英携帯電話大手のボーダフォンが07年に開始した。エムペサの代理店で現金を預けて自分のエムペサ口座に入金してもらってから、、送金相手にSMSを贈る。メッセージを受取った人は、取次店でSMSと身分証明所を提示すると現金を受取れる。『エコノミスト』の記事のよると、ケニア成人人口の2/3以上にあたる1700万人がエムペサを利用している。エムペサを通じて行われる資金移動はケニアのGDPの約25%に相当する。エムペサ代理店は、ケニア全土で約4万店ある。相当不便な地域にもある。銀行なみに立派な窓口が並ぶ代理店もあるが、物置小屋のような代理店もある。ただし、額で見ると現金のほうが圧倒的に多い。ケニアの取引の約99%は、キャッシュでなされている。エムペサの全口座残高の合計は、銀行預金残高のわずか0.2%にしかならない。これは利用額に限度が設定されていて小額取引にしか用いられないためだ。エムペサ普及の背景には、携帯電話の電話機本体や通話料が安くなったことがある。携帯電話は安ければ1500ケニアシリング程度(1ケニアシリングは約1円)。アフリカでは銀行口座を持つ人の割合は人口の10%以下だが、携帯電話の保有者は60%に上る。ケニアでの携帯電話の普及率は70%にも達する。

うむ、アジア一国一愛人構想の意義の一面、エマージングから先進国市場への還流、ここにあり。恵まれすぎていると、かえって新技術に乗り遅れがちなのだ。

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「ビットコインは、P2Pネットワークによるプルーフ・オブ・ワークでブロックチェーンを維持することによって運営されている」 こういってもほとんどの人にはチンプンカンプンだろう。それも当然。これは、ビットコインが始めて提唱した全く新しいアイディアなのである。

P2Pだとかプルーフ・オブ・ワークは維持するための"技術"なので、ブロックチェーンについての記述だけまとめよう。一定期間の取引記録は、「ブロック」と呼ばれる。ここに記録することが許されるのは「正しい取引」である。ここで「正しい取引」とはつぎのようなものだ。ビットコインの保有者だけが、保有額の範囲内において、他の人に送れる。意図した相手だけが受け取ることができる。二重払いは認められない。ある時点において、あるビットコインの所有者は一人しか存在しない。この記録が誰にも見られる形で存在し、書き換えができないようになっていれば二重払いは排除されるのである。ブロックは不動産の場合の登記簿のようなものだ。不動産においても二重譲渡の問題が存在するのだが、これに対処するために登記制度が採用されている。登記所が保管する登記簿に記載されているのが正当な保有者だ。ビットコインの場合も、ブロックに記録されているのが正当な保有者である。不動産登記との違いは記録の管理主体である。不動産登記を管理しているのは国の機関だ。これに対してビットコインでは、記録の維持を特定の管理主体が行うのではなく、コンピュータの集まりが行う。このネットワークはP2Pと呼ばれる。

Komuro-Yoshie-001.jpg

野口さんは他に暗号化や改ざんを防ぐ方法についても説明しているが、「ブロックチェーンとは、登記簿のネットワーク接続した世界中のコンピュータ上の分散管理である。」で良いんじゃないかな。

ここまで来て、なぜビットコインは変動相場制なのか、固定相場にしてしまえば良いではないかと思ったのだが、おそらくこれはマイニング・ブロックチェーンの維持の費用を参加者全員で負担しているというところが理解できてないと思われるので、もう一度戻って読み直そうw なぜそう思ったかと言うと少し次元を下げ、通貨創造という中央銀行の信用の分散管理ではなく、信用創造という市中銀行の機能を、管理主体無しの分散管理できるものなのか?と疑問に思ったからだ。

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